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DXの本質に迫り、DXを通じた日本の未来について語るオンライン配信イベント「Forbes JAPAN DX SUMMIT」が9月29日に開催された。Closing Keynote Sessionでは「AI×Business ──DXのコアテクノロジーとしてのAIとは?──」と題し、AIがDXで果たす役割や活用のための要諦について語り合った。その模様の一部をお伝えする。


ITインフラの構築に終わりはない


Closing Keynote Sessionには、日本ディープラーニング協会(JDLA)理事長で東京大学大学院工学系研究科教授の松尾豊とDeepLearning.AI 創業者のAndrew Ng(アンドリュー・ン)が登壇し、zero to one 代表取締役CEOでJDLA人材育成委員の竹川隆司がモデレーターを務めた。


左:松尾 豊 日本ディープラーニング協会(JDLA)理事長/東京大学大学院工学系研究科教授

まず松尾が、「製造業は早くからAIの可能性に注目し変革を実行してきたが、最近では金融や保険、商社などでもDXの動きが加速している」と日本のDXの現状について紹介。それに対してアンドリューが、「多くの企業や産業が何年もかけてDXへの取り組みを続けてきた」とアメリカの現状について紹介した。しかし、ITインフラの構築には終わりがないとアンドリューは言う。

「何名かのCEOからこう言われたことがあります。『あと2年あれば素晴らしいITインフラが構築できるので、完成したらAIに取り組みます』と。よく松尾先生とも話すのですが、これはほぼ確実に失敗を招きます。なぜならITインフラが十分になることはないからです」

まずはいま存在しているデータを利用し、小さくてもいいから付加価値を上げる成果を出し、そこで得た学びをもとにITインフラを改善し続けることが望ましいとアンドリューは提言する。それにはAIが大きな役割を果たす。では、AIはDX推進のコア技術なのだろうか。竹川の問いに対しても2人は明快な回答を用意していた。

アンドリューは、過去20年間でのデジタル化やクラウド、モバイル技術の登場により、企業がかつてないほど膨大なデータを収集する能力を得たことに触れ、AIがDX推進のコア技術であると断言する。

「データを収集する能力は製造工場から医療システム、海運の複合企業に至るまで、あらゆる業界に存在し、多くの企業がコンピューターとデータ処理能力を備えています。誰もがこれほどのデータを収集できる能力を得たいま、AIによって多大な価値を生み出すチャンスがどの大規模産業にも存在します」


Andrew Ng(アンドリュー・ン) DeepLearning.AI 創業者

text by Fumihiko Ohashi edit by Akio Takashiro

DXディープラーニングAI

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