ビジネス

2021.10.19

100の新産業をつくるSUNDREDが目指す「ナスコンバレー」とは

那須の新たなリビングラボ「ナスコンバレー」


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経済産業省 関東経済産業局 地域経済部 産業技術革新課 オープンイノベーションチームリーダー 中村 慧氏

加えて、中村氏は、社会課題を解決する事例やビジネスモデルが確立することにより、インタープレナーが、自分は越境人材であると自覚し、越境という活動をしたいと思うに足るのではないかと考える。社会起点の目的を共有した人と人との繋がりや、地域の企業も含めて稼ぐことができるエコシステムがモチベーションになるだろう。

その上で、中村氏は「越境」という言葉がもっとポジティブに活用されることを期待している。

越境というと、他人に口出しすることや専門外の領域にまで手を広げることのように思えるが、ひとりひとり、自分が動かせるリソースを、動かせる範囲で動かしていくことに他ならない。

自分で動かせないもの、足りない知識、もたない技術があれば、そのときは人と繋がれば良いのだ。

留目氏が実現したいのは、インタープレナー(越境人材)が中核となって対話を通じて目的を共創し、地域の活力を活かしながら社会課題の解決に取り組むことで、ひとりひとりが自分らしく、生き生きと前をむいて生きていける社会をつくることだ。

「地道な活動が必要ですね」という3人の会話から、新産業を共創することへの覚悟がうかがえた。


留目真伸◎SUNDRED 代表取締役。早稲田大学政治経済学部卒業、総合商社、戦略コンサルティング、外資系IT、日系製造業等において、代表取締役社長を含む要職を歴任。レノボ・ジャパンおよびNECパーソナルコンピュータ 元代表取締役社長。資生堂 元チーフストラテジーオフィサー。2019年7月より100個の新産業の共創を目指すSUNDREDの代表として「新産業共創スタジオ」を始動。「新産業共創プロセス」を通じ新産業・新事業の創出・成長加速に取り組む。

幸物正晃◎経済産業省 関東経済産業局 地域経済部 産業技術革新課長。慶應義塾大学商学部卒業、1997年関東経済産業局入局。経済産業省地域経済産業政策課、多摩信用金庫への出向の後、次世代産業課、地域経済課、政策評価広報課(政策企画委員)、企画調査課(政策企画委員)等を経て、2021年4月より現職。イノベーション、新事業創出・スタートアップ、産業標準化及び知的財産担当。

中村 慧◎経済産業省 関東経済産業局 地域経済部 産業技術革新課 オープンイノベーションチームリーダー。滋賀大学経済学部卒業、008年関東経済産業局入局。2011年に経済産業省技術協力課、2017年に情報処理推進機構(IPA)への出向を経て、現職。オンラインマッチングサイト「OIMS」やアクセラレータープログラムなどにより、多様な企業の共創を推進。ドローン等の新産業を共創する新事業として、「越境人材プロジェクト」の立ち上げを担当。

文=伊藤みさき インタビュー・編集=谷本有香

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