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人々のニーズが多様化し、社会課題が複雑化する今、課題を解決しうるのは手持ちのソリューションではなく「新産業」という可能性もあるのではないだろうか。

新産業の創出に大きな期待が寄せられるなか、「100個の新産業を共創する」という面白いコンセプトを掲げる企業がある。新産業アクセラレーターのSUNDRED(サンドレッド)だ。

9月には「Industry-Up Week」と銘打ち、経済産業省関東経済産業局共催のもと、イノベーションの祭典を開催。大盛況のうちに幕を閉じた。

新産業とは何なのか、どのように生み出されるのか。新産業共創プロジェクトのその先に、果たしてどのような未来が実現するのか。SUNDREDの代表取締役である留目真伸氏と経済産業省の幸物正晃氏、中村慧氏に話を聞いた。

新産業の共創に欠かせない「インタープレナー」という存在


SUNDREDは、2019年7月に「新産業共創スタジオ」をローンチして以来、現在までに12の新産業プロジェクトを推し進めてきた。その内容は「ハピネスキャピタル産業」や「ユビキタスヘルスケア産業」など、どれもユニークで興味深い。

さらに興味深いのは、新産業共創のキーパーソンである「インタープレナー」の存在だ。インタープレナーとは、個社としての事業創出を目指すアントレプレナー、イントレプレナーと異なり、社会起点の目的を優先し、組織や所属の壁を越えて行動して新結合を促進し、新しい価値創造の仕組みの主役となっていく、新しいタイプの自律した「社会人」のことを指す。

SUNDREDが開発した言葉だが、経営学者である寺本義也先生が1995年に発表された論文でもほぼ同様の意味で記されていることが後に判明した。SUNDREDはこれをリブートし、1. 社会起点で、2. 共感をベースに、3. 組織を越境しながら、4. 目的思考で価値創造を行う存在を、インタープレナー(またの名を「越境人材」)と位置付けた。

SUNDRED CEOの留目氏いわく、インタープレナーは、必ずしも起業家・社内起業家であるとは限らない。より良い社会をつくるために、共感できる仲間と繋がりながら、それぞれが動かせるものを動かして行動したら、それはもう立派なインタープレナーであり、全ての企業、自治体、その他のセクターにも存在しうるのだ。

このように新産業の共創を自分ごと化できるインタープレナーのために、SUNDREDは「インタープレナーコミュニティ」を立ち上げた。インタープレナー同士の交流やワークショップ、座談会など、学びや情報交換の場を提供している。

あらゆる産業が「人間中心」に再編集されようとしているなか、インタープレナーは、新産業を生み出し、それを社会に根付かせるために不可欠であることは言うまでもない。このコミュニティに集まった人材は、新産業を共創するうえで重要な役割を担う存在であるとともに、SUNDREDの大きな財産なのである。

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SUNDRED 代表取締役 留目 真伸氏

文=伊藤みさき インタビュー・編集=谷本有香

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