部下がうそをつく理由と、上司にできること

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2. 自分で確認する


リーダーはさまざまなことを耳にする。その中には真実もあれば誤解を招くものもあり、意図的なうそもある。どれが真実か、その人の発言の動機は何かについて結論を出したい気持ちになるのはわかるが、もしあなたが普段は自分のオフィスから一歩も出ないで過ごしているのなら、判断をする上で頼れる経験は皆無だ。

私はよく企業幹部に「自分の会社の探検家になること」を勧めている。人と話し、歩き回ってさまざまな場所に行き、サプライヤーを訪問する。その際には、好奇心を持って行動すること。こうすることで、リーダーは自分の会社をより深く理解できる。

3. 悪い報告を受けても中立性を保つ


リーダーが悪い知らせを聞いてどんな反応を見せるかにより、周囲の人が問題を打ち明けるか隠してしまうかが左右される。懸念を報告した部下を怒鳴ったり、けなしたりしなかったとしても、部下の士気を下げてしまうことはある。

リーダーの反応が「心ここにあらず」という感じだったり、冷淡だったりすると、この人に懸念を伝える価値はないというメッセージを送ってしまう。一番良い反応の仕方は、まずは冷静に問題の原因を考え、責任が明確になるまで誰も批判しないことだ。

4. 懸念を口にした人を尊重する


人前で恥をかくことへの恐怖は、本来なら避けられるミスの大きな原因となる。病院の職場環境をめぐる研究では、医師が看護師ら職員の意見を無視すると、患者への治療に悪影響が及ぶことが明確に示されている。同じことが他の分野にも当てはまる。横柄な人は、たとえ一定の間は成果を上げられたとしても、素晴らしいリーダーにはならない。

5. 問題を見つけたら毅然と対処する


盗みやうそ、ルール違反、同僚に対するひどい態度など、規定や基本的な倫理規範を破る行為は、“初犯”の際に大きな罪悪感や恥の気持ちを生むが、その感覚は薄らいでいくことが多い。悪事がばれずに済むと、それを繰り返してしまう可能性は高くなる。

たとえ非常に優秀なリーダーでも、会社で起きている全てを知ることはできない。そのため、力強く倫理的な企業文化を確立することが非常に重要だ。上記の5つのことを実行すれば、リーダーは自分の企業を理解し、価値ある情報を得て人間関係を改善し、信頼を構築できる。人々がリーダーに真実を伝えられるようにするには、これが必要となる。

編集=遠藤宗生

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