ビジネス

2021.10.17

米国で急成長の「芝生ケア」のD2C企業、Sundayが累計7800万ドルを調達

Henry Arden / Getty images

カルター・ルイス(Coulter Lewis)は、妻が立ち上げた自然派スナックの会社Quinn Snacksを手伝ううちに、オーガニックな農業に没頭するようになった。そのため、2018年に家を購入し、芝生の手入れ用品を買おうと思った時、「自然派」のプロダクトを期待していた。

「ところが、ホームセンターに行くと、想像していたような商品が一つも無かった」とルイスは語る。個人の家の庭で栽培されている芝生は、米国で最大規模の作物のひとつであるにもかかわらず、芝生用に開発されたオーガニックなプロダクトが存在しないのだ。彼はこの状況を変えたいと考えた。

ルイスが2019年に設立したD2C型の芝生のケア会社の「Sunday」は、消費者が必要とするプロダクトを、芝生の状態に応じて送るサブスクリプションサービスを提供する。コロラド州ボルダーを拠点とする同社は先日、BONDが主導し、セコイア・キャピタルやTusk Ventures、Forerunner Venturesらが参加したシリーズCラウンドで5000万ドルを調達した。Sundayの累計調達額は7800万ドル(約89億円)に達している。

BONDのゼネラルパートナーのNoah Knaufは、Sundayが最適な投資対象だと考えたとフォーブスに語った。米国で芝生のケアは巨大な市場だが、Sundayはこの分野で唯一の、真のイノベーションを起こせる企業だという。

「平均的な家庭は、年間数千ドルを芝生のケアに費やしている。この分野でイノベーションが起きていないことは、ショッキングだ」とKnaufは語る。

Sundayは、ルイスの母校であるコーネル大学の教授で芝草の権威であるフランク・ロッシ博士をチーフ・サイエンス・オフィサーとして迎え入れた。同社は、コーネル大学の温室で広範囲にわたる研究を行い、closed loop care systemと呼ばれる芝生のケアの効果を検証したほか、100人の人々がそれぞれの庭でテストを行うベータテストも実施した。
次ページ > 環境への大きなインパクトも期待

編集=上田裕資

ForbesBrandVoice

人気記事