分断や違いを乗り越えろ。エンタメが持つこれからの可能性

菊地洋平プロデューサー(左)と武井壮さん(右)


つながりまくってチームをつくれ


──コロナ禍でエンタメが止まってしまった状態を経験したお二人は、これからのクリエイターや作り手にはどんな力が必要だと思いますか? 
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武井:僕はこれまでずっと、発信する側の人間として「つながりまくること」をテーマに動いてきました。露出を増やして、コミュニケーションを増やして、とにかく自分に興味を持ってくれる人、知ってくれている人をひたすら増やす。特にエンターテインメントの分野で仕事をする人にとっては、そのための努力がより重要になるかもしれませんね。

スポーツについても、今までのように、ただ「会場見に来てください」と言ってるだけでは立ち行かない状況になりました。だからそれを打破するためには、お客さんとの接点そのものをもっと増やしていかないといけない。

例えば、サッカーの競技そのものや選手について詳しくなくても、実際にスタジアムに観戦に行ったらすごくワクワクするし、ゴールの瞬間は熱狂できますよね。スポーツでも音楽でも映画でも、こういった「感動の山場」に一度アクセスさえできれば、面白さを知ってもらえると思うんです。どんなマイナースポーツにもそういうポイントはあるんだけど、放っておいたら誰にも気づいてもらえない。
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だから、世界中の人がアクセスできるデバイスやプラットフォームを駆使して、つながりまくって、接点を増やしていく。チャンスの種をなるべく多くいろいろなところに撒いておく。そういう戦略が必要なんじゃないかな。

菊地:私も「つながること」は普段からとても意識しています。クリエイターに限らず、これからはどんな仕事の現場も、より「総力戦」になってくるのかもしれないですね。特に社外や違った分野の人たちとチームをつくれるかどうかがカギになるのではないかと。

武井:僕も最近、「個人技」なんてほぼ存在しないと思うようになりました。

菊地:同じ思いを持った人たち、見ている先が同じ人たちを見つけて、そういう人たちと横につながっていって協働することがより重要になってくるのかもしれませんね。マインドセットとしては、発する言葉ではなく行動が全て(良いことも悪いことも)。実現に向けて行動する。ということを意識するようにしています。
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構成=松崎美和子 写真=今井裕治

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