米メルク、コロナ経口治療薬の生産量を倍増へ 需要急増に対応

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ワクチンはマスクの着用やソーシャルディスタンスを取ることといったその他の感染予防対策と並び、感染を防ぐのに効果的なものだ。そして、ステロイド系の薬などは、ウイルスに対する免疫系の過剰反応を抑えることで、重症化した人の命を救うことができる。

だが、重症化はしていない感染者の治療については今のところ、使用できる薬の選択肢がほとんどない。現在使用されているモノクローナル抗体は、米国では大半の州で供給が不足。連邦当局が各州に一定量を分配する形を取っている。また、この薬は基本的に、病院で静脈内投与する必要があるものだ。

モルヌピラビル(そして開発中のその他の抗ウイルス薬)は、入院が必要な人、重症化する人を大幅に減らすことで、こうした状況を一変させるゲームチェンジャーとなる可能性がある。

他社も開発の後期段階


新型コロナウイルス感染症の治療に使用する経口タイプの抗ウイルス薬は現在、他にも複数が後期臨床試験の段階にある。ファイザーは、予防と治療に効果があると期待されるプロテアーゼ阻害薬の臨床試験を実施中。

また、スイスの製薬大手ロシュ、米ボストンを拠点とするアテア・ファーマシューティカルズ(Atea Pharmaceuticals)も、飲み薬の開発を進めている。いずれも年内に臨床試験の結果を公表する見通しで、効果が確認されれば、緊急使用許可を申請するとみられる。

一方、英アストラゼネカは11日、臨床試験中の抗体医薬について、良好な結果が得られていることを明らかにした。軽症または中等症の患者の重症化や死亡を防ぐ効果が高いという。この薬もまた、病院以外の場所で使用できるものとなる可能性がある。

編集=木内涼子

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