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米製薬大手メルクは、臨床試験を実施中の新型コロナウイルス感染症の経口治療薬「モルヌピラビル」について、2022年中に自社の生産能力を2倍に引き上げる計画だという。

英紙フィナンシャル・タイムズが10月12日に報じたところによると、米国をはじめ裕福な国の一部はすでに、同社が先ごろ米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請したこの薬の確保に向け、先を争い始めている。

同紙によれば、メルクは急増する需要に対応するため、今年は1000万回分としているモルヌピラビルの生産量を引き上げ、来年には少なくとも2000万回分とする計画。また、貧困国にもこの薬の入手を可能にするため、より安価で生産することができるジェネリック医薬品メーカー8社と契約を結んだという。

初の「飲み薬」を供給


メルクと米バイオ医薬品メーカー、リッジバック・バイオセラピューティクス(Ridgeback Biotherapeutics)は11日、共同開発したこの新型コロナウイルス感染症の治療薬について、米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請した。

臨床試験の結果、モルヌピラビルは重症化のリスクが高い軽症~中等症の感染者の入院、または死亡リスクを半減させることが確認できたという。承認を得れば、初の経口治療薬となる。また、病院の外での治療を可能にする、数少ない方法の一つとなる。

新たな「不平等」を生む懸念も


現時点ではまだ承認を得ていないものの、米国のほかオーストラリアやニュージーランド、韓国、シンガポールなどがすでにモルヌピラビルの供給を強く求めており、この薬を巡ってもワクチンと同様、世界的な不平等が起きる可能性が高まっている。

米政府はモルヌピラビルがFDAの承認を得た場合、170万回分(1回は5日間の服用分)を購入することでメルクと同意した。だが、同国の製薬大手ファイザーの取締役であるスコット・ゴットリーブ前FDA長官は、この注文量について「足りない」と発言。インフルエンザの流行に備えて備蓄されている治療薬の量は、5000万~8000万回分であることを指摘している。

編集=木内涼子

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