Series 7の広くなったディスプレイが活かせるQWERTYキーボードも搭載された。
小さなソフトウェアキーを1文字ずつタイピングするのは骨が折れそうだと思うかもしれないが、これが試すと意外にそうでもない。一文字ずつタイピングする方法だけでなく、キーボードの間をスワイプしながら一気にタイピングができる「クイックパス」の使い勝手が良いからだ。例えば「im」とタイピングすれば「I’m」に自動変換してくれるし、入力した文字が正確でなくても、意味のある単語に予測変換入力をしてくれる。
QWERTYキーボード。アルファベットの間をスワイプしながら素速くタイピングできる「クイックパス」が便利に使える
ただし、この出来映えのよいソフトウェアキーボードは当初英語のアルファベットと中国語の簡体字による入力のみに対応する。電車やバスでの移動中に、ウォッチで簡易なメッセージを送りたい場面でとても役に立ちそうな機能なので、ぜひ早めの日本語対応を実現してほしい。
空き時間に素速く充電できる、急速充電対応に
Apple Watch Series 7には新しいUSB-C対応の充電ケーブルが付属する。Series 6以前のモデルに比べて最大33%速くウォッチを充電できる。新しいケーブルはSeries 6以前のモデルとの下位互換も確保しているが、高速充電はできない。なお、Series 7にはUSBアダプターが同梱されていない。アップル純正の20W USB-Cアダプターを2200円(税込)で購入すると高速充電ができる環境が整う。
充電残量50%から100%までの充電にかかる時間を比べてみたところ、Series 7は40分、Series 6は70分かかった。アップルは約8分の充電で約8時間の睡眠トラッキングに十分なバッテリーを充電できるとも説明している。例えば朝、出かける直前にApple Watchのバッテリー残量が少ないことに気が付いた時などにも急速充電はあれば頼もしい機能だ。
高速充電に対応する新しいUSB-C対応の磁気ケーブルが付属。USB電源アダプタは別途購入が必要
耐久性も向上。これから買うなら迷わずSeries 7を
最新のSeries 7は前面クリスタルを50%厚くして強度と耐久性能の向上を図った。Apple Watchとして初めてIP6X等級の防塵対応にもなっている。エレガントなルックスはそのままに、シリーズ最強のタフネスウォッチとして変貌を遂げた。急速充電に対応したことの利便性も加味して、早くもSeries 6からの買い換えるApple Watchユーザーがいても不思議はないだろう。
前面クリスタルは最も厚い部分で2倍に。透明度を確保しつつ割れにくくなっている
Series 7の価格は48800円(税込)から。併売されるApple Watch SEとの間に16000円近く価格差があるものの、バッテリーや耐久性の向上など「地道なイノベーション」には大きな価値があると長年Apple Watchを使っている筆者も思う。これからApple Watchデビューを考えているのならば、迷わずSeries 7を選ぶべきだ。
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