ミュンヘンを拠点とする同社は、1月に評価額17億ドルで1億2500万ドルを調達したが、欧州のスタートアップ投資が盛り上がる中で、爆発的に評価額を上昇させた。
同社のCEOのハノ・レナーは、今回の調達資金でプラットフォームの自動化を推進しSlackなどのツールとの連携を強化すると述べている。
ペルソニオのソフトウェアは主に、Workdayや ServiceNow、APDなどの米国のHRソフトを導入するためには規模が小さすぎる企業の採用や人事業務に利用されている。
「当社は、採用から入社、従業員の育成、給与計算、さらには欠勤や給与明細の発行など、企業のライフサイクル全体をデジタル化しようとしている。ペルソニオは、人々のワークフローや異なるツール間のプロセスを自動化していく」と、レナーは述べている。
ペルソニオの自動化は、中小企業がパンデミックの中で導入したSlackやセールスフォース、マイクロソフトのTeamsなどのツールとの連携の強化につながると予測され、これが投資家の評価を高めた一因と考えられる。
業務プロセスの自動化分野のリーダーとして知られるルーマニアのUiPathは、4月に280億ドルという過去最大級の評価額でニューヨーク市場に上場していた。
ペルソニオの今回のラウンドは、Greenoaksが主導し、Altimeter CapitalやニューヨークのヘッジファンドのAlkeonらが参加した。ミュンヘンを拠点とする同社は、以前にAccelやLightspeed Venture Partners、Index Ventures、Northzoneなどから資金を調達していた。
Pitchbookのデータによると、ロンドン、ベルリン、パリなどに拠点を置く、欧州のスタートアップの調達額の合計は、2021年の上半期だけで544億ドルに達し、2020年の通年の521億ドルを上回っている。
ただし、一部の企業に資金が集中する傾向もあり、スウェーデンの後払いに特化したフィンテック企業Klarnaの評価額は、1年足らずの間に約4倍に、ロンドンのフィンテック企業Revolutの評価額も約6倍に伸びている。
レナーによると、ペルソニオは2~3年後の上場を視野に入れているという。フォーブスの「30アンダー30」に選出されたレナーは、中小企業に務めていた友人から、エクセルで管理していた給与計算や採用管理を自動化するシステムの構築を頼まれたことをきっかけに、2014年に同社を創業した。
「当社の最大のライバルは、今でもエクセルだ」とレナーは語った。