優秀なリーダー、ネガティブなフィードバックからどう学ぶ?

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多くの人は、フィードバックを受けたくない(あるいはフィードバックに耐えられない)ことを理由にリーダーになることを避けてしまう。リーダーは、非常に多くのフィードバックを受けるものだ。

しかし、これを理由としてリーダーになるのを避ける必要はない。フィードバックで重要なのは、それを受けてどうするかだ。まず最初にすべきことは、批判的、あるいは受け止めづらいフィードバックを、悩んだり自信を失ったりすることなく受け止める方法を理解することだ。

ネガティブなフィードバックへの自然な反応


誰かから批判された場合は自己弁護的になりがちで、腕を組んで心を閉ざしてしまうことさえあるかもしれない。

デービッド・ロックは著書『最高の脳で働く方法』で、フィードバックを受けるとどのようにして脳内で激しい脅威反応が引き起こされるかを議論している。辺縁系が過剰に興奮状態になると脳の機能が損なわれ、脅威を払いのけるために原始的な脳、つまり爬虫(はちゅう)類脳に戻る傾向があるのだ。

しかし、批判の本当の趣旨を理解できれば、それが自己実現と成長のための非常に強力なツールの一つであることに気づくかもしれない。ただしそのためには、本当に真実を知りたいと思う必要がある。

鍛えるべき「筋肉」は、意識的に思考する脳である(大脳の)新皮質にある。焦点を、爬虫類脳からこの思考する脳へと移行できなければ、原始的な反応を取ってしまうだろう。選択肢は、闘うか逃げるか固まるかだ。これらはどれも、リーダーの反応としてふさわしいものではない。

ここで私自身の経験を紹介しよう。私は数年前、プレゼンテーションを行った後に「(私は)プラスチック製のバービー人形のようだった」という傷つくフィードバックを受けたことがある。私はこれまで、バービー人形のようだというフィードバックを受けてきた。その理由はおそらく私の髪の色や身長、体格などで、私の見た目とどうやら関係があるようだ。

しかし、このときのプラスチック製バービー人形のフィードバックは、私にとってなぜか非常につらいものに感じた。

私の本能的な選択は逃げることで、今後は絶対に講演をしないと決めた。こうして私は、傷つくフィードバックを二度と受けないようにしたはずだった。こうして、未来の痛みの元から自分自身を切り離すことができるのだ。

それがあなたの選択であれば、それはそれで構わない。世界にはこのような選択をする人が大勢いる。私のお気に入りの歌手であるカーリー・サイモンは、ひどい舞台恐怖症により舞台には二度と上がらないと決めてしまったのだ。
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翻訳・編集=出田静

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