売れ行きが良い医薬品の上位20種類から得られる売り上げ収益は約1580億ドル(約18兆円)だ。このうち米国での売り上げは、3分の2近くに当たる約1010億ドル(約11兆4000億円)を占めている。
ただし米国では、世界の他地域と比べてより多くの医薬品が購入・使用されているわけではなく、単に支払い金額が高いだけだ。調査からは、米国の医薬品の消費量は他の富裕国と同程度であることが示されている。
これは、米国の医療費全般にも通じるものだ。米国の医療費は他の同様の国と比べてはるかに高いものの、その割に達成できることは少ない。
高額な医療費の主な要因は、米政府が医療費を下げるような交渉ができない、あるいはそうした交渉を拒否していることにある。処方箋の価格を下げる必要性については党を超えて合意が形成されているものの、達成のための取り組みは失敗に終わっている。