ジェンダーニュートラルなマネキンは、より若い世代を惹きつけるはずだ。最も流動的な世代とされるZ世代では、男性の50%が自らのジェンダーと異なるアパレルを購入していることもあり、彼らは新たなマネキンに共感を覚えるだろう、とムーンは言う。
「こうしたマネキンは、さまざまな体型の人が、どんなものを着てもいいのだということを示すことができる」と、ムーンは言う。「これらは、自分自身の最良の表現になりうる。自分と同じアイデンティティだと感じられるマネキンで、ぴったりなサイズがディスプレイされている、というメッセージを顧客に対して伝えることができる。ブランドが顧客をきちんと理解している、ということをアピールできるのだ。Z世代とミレニアル世代には、本物と偽物を見分ける力がある。これは、若い世代の顧客を獲得する、すばらしい方法になるだろう」
「このような取り組みを勇敢に進めてきたことで、我々はポジティブな評価を得ている」と、ムーンは言う。「これまでにない試みに挑むなかでは、さまざまな課題がある」
「今まで何もなかったところにマネキンを置き、こうすればジェンダーフリーを表現できると示すのは、まさに現状を打破するディスラプターの行いだ」
「ネット上では、ナイキやターゲットなどの大手ブランドが、ジェンダーフリーラインを展開している。少しずつだが、ブランドが活気付いているようだ。ノードストロームのような小売店が、ジェンダーフリー商品のラインアップ拡充を宣言することが必要だろう」
ムーンは次のように締めくくった。「全面的なコラボレーションがおこなわれたことも、今回のプロジェクトのすばらしい点だ。これは、若い顧客がいるはずだと小売店が考える場所ではなく、若者たちが実際にいる場所で、彼らと出会えるようにするための機会だ。うわべだけではない、可能な限り真摯なアプローチと言えるだろう」