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カイリーン・カンポス / P&G ヘアケア部門ブランドバイスプレジデント

約200カ国以上で販売されているP&Gのヘアケアブランド「パンテーン」。1945年に誕生した同ブランドは、いち早くSDGsや環境サステナビリティに向き合ってきた。SDGsには「誰一人取り残さない」という理念があり、多様な人材を受け入れ包括するダイバーシティ&インクルージョンの思想が、17からなる持続可能な開発目標の達成のためには欠かせないキーワードだ。

パンテーンは、2018年からダイバーシティ、そして美しさのあり方について一石を投じ、「あなたらしい髪の美しさを通じて、すべての人の前向きな一歩をサポートする」というブランド理念のもと、「#HairWeGo」キャンペーンをスタート。そして、今回新たに「#HairWeGoGreen」が始動した。その背景には、どのような思いがあるのか——P&Gで約20年間、マーケティングに携わり、現在日本と韓国のヘアケア部門でブランドバイスプレジデントを務めるカイリーン・カンポス氏に話を聞いた。


「#この髪どうしてダメですか」


日本の学校の「髪型校則」に対して疑問を投げかける形で2019年にパンテーンが広告を通して発信したメッセージは、一人ひとりの個性の尊重について考えるきっかけを作り、SNS等を中心に大きな反響を呼んだ。

その後も日本の画一的な就活スタイルに訴えるキャンペーンや、トランスジェンダーのモデル、車椅子YouTuberでありバリアフリー活動家をCMに起用するなど、パンテーンはこれまで、“EQUALITY & INCLUSION(平等な機会とインクルーシブな世界の実現)”に関するメッセージを広く展開してきた。そして2021年、掲げたのは「#HairWeGoGreen」。従来の「#HairWeGo」キャンペーンに新たに「Green」を追加した意味を、カンポス氏はこう話す。

「今回新たに付加したGreenは、SDGsの目標にも含まれるサステナビリティ(持続可能性)を表現しています。このタグラインがサステナビリティについて考え、行動を起こすきっかけとなればという願いも込めています」

環境問題への意識が高まる近年、海洋プラスチック問題がニュースになり、脱プラスチックに向けた取り組みに関心を寄せる消費者は少なくない。

20年以上マーケティングに携わるカンポス氏は、日本の消費者意識の変遷について、「サステナビリティへの意識は年々高まっており、ブランドや製品を選ぶ上で、サステナビリティは重要な要素の一つになってきているように思います。消費者が環境問題や社会問題を自分ごととして真剣に捉えている今の状況は、今後の未来にとってとても好ましいことだと考えています。私たちはヘアケアブランドを提供する立場として、消費者、社会、環境に対して“作る責任”があると考えており、ヘアケア製品のパッケージにおいても、持続可能な行動の第一歩を踏み出すことに意義があると考えています」と話す。

P&Gでは、こうした消費者の意識が高まる10年以上も前から、サステナブルなパッケージの開発に取り組み続けてきた。

サステナブルで革新的なエコパッケージを開発



P&Gは2018年、長期的に取り組むべき重点課題として、「環境サステナビリティ」に関する世界共通ビジョン「Ambition 2030」を策定。また、ビューティカテゴリーでも、「責任を果たすP&Gビューティ」というミッションの下、さまざまな活動が行われてきた。

特に、製品パッケージについては、2030年までに100%リサイクル・再利用可能にすることと、2025年までにバージン・プラスチックの使用量を50%まで削減(※1)することを目標に掲げている。

周知の通り、「脱プラスチック問題」については日本でも今、大きな課題となっている。一般社団法人プラスチック循環利用協会によると、日本におけるプラスチックの回収率は85%と高く、世界でもトップクラスに分別回収が進む。しかしその実、回収されたプラスチックが「マテリアルリサイクル」、つまり再利用して別のプラスチック製品へと作り替えられているのはわずか23%に過ぎない。

このような状況を背景に、約10年もの歳月をかけて開発されたのが、この度新たに発売する『詰替えECOPOUCH™』と繰り返し使える『アルミボトル』である。

特に、『詰め替えECOPOUCH™』は、「モノマテリアル」、つまりリサイクル可能な(※2)単一素材を実現した画期的なパッケージだ。従来のパウチは、複数の異なる素材を重ねて、バリア性、耐久性、安定性を担保していた。しかし、異なる素材が含まれることによって、リサイクルはしづらくなる。そこで実現させたのが、ポリエチレンベースのフィルムのみを使用した単一素材のリサイクルしやすい新パッケージだ。

開発当初、単一素材のフィルムではシャンプーの詰替容器ほどの液体を保存できる耐久性が確保できず、輸送時に液漏れすることなどもあり、課題が山積していました。10年という長い年月をかけて研究開発を進め、ようやくこの度、単一素材フィルムの開発に成功し、『詰め替えECOPOUCH™』が完成しました」(カンポス氏)

『詰め替えECOPOUCH™』はパッケージデザインにも配慮しており、メタリックインクは使わず、シンプルな白デザインを採用。リサイクル後の二次製品への影響を最小限にする努力をしてきた。

「同時に、シャンプーなどのボトルには、品質の劣化が少なく耐久性や安定性が高いアルミ素材を採用しました。特殊加工をしており、湿気があるバスルームでも、長期間繰り返しお使いいただけます。そして、どんなバスルームにもマッチするプレミアムでスタイリッシュなデザインにもこだわりました。身近にできるサステナブルなアクションとして受け入れられていくことを願っています」(カンポス氏)

商品を製造し、販売するだけでなく、社会や環境にも責任ある活動や事業を展開していくこと。これもパンテーンが考える「作る責任」だ。

※1 2017年1月から12月に生産されたプラスチック総量との比較。
※2 使用後の容器を指定の回収ボックス経由で適切に回収された場合。

消費者一人ひとりの選択が、環境問題解決への糸口に


今回の革新的かつサステナブルなパッケージの発表は、アジアでは日本が初のお披露目の舞台となる。P&Gのグローバル調査によると、日本では84%の人がバスルームで詰め替え用製品を使用している。これは、世界の平均的な普及率が68%であるのに対し、高い普及率だ。リサイクルへの意識が高い日本において、パンテーンのサステナブルな新パッケージは、ヘアケア市場へ大きなインパクトを与えると期待されている。

「日本には詰替え文化が定着しているため、『詰め替えECOPOUCH™』と『アルミボトル』には大きな可能性を感じていますし、広く受け入れられることを期待しています。日々の製品選択を少し変えることがサステナブルな社会・環境への第一歩となります。私たちは、消費者の皆様にサステナブルな行動を“義務”ではなく、楽しく行っていただけるような仕組みづくりや製品づくりに貢献していきたいと考えています」(カンポス氏)

環境に配慮したヘアケア製品を使うことが持続可能な美しい世界に繋がる——従来のユーザーはもちろん、環境問題に高い意識を持つ新規のユーザーにとっても、「何を選ぶべきか」という指針になっていくことは間違いない。日々の小さな選択が、サステナブルな社会へと繋がっていくのだ。



ポリエチレンベースのフィルムのみを採用した単一素材の『詰め替えECOPOUCH™』。単一素材のため、リサイクルしやすい。展開ブランド:「新パンテーン エフォートレスシリーズ」。サイズ:シャンプー350mL/トリートメント350g。写真左 シャンプー、写真右 トリートメント


耐久性に優れ再利用可能。プラスチック使用量を最小限に抑えた『アルミボトル』。バスルームにいつまでも置いておくことに喜びを感じるようなプレミアムでスタイリッシュなデザイン。ボトルに描かれているのは、環境汚染のないきれいな海と女性。美しい髪、そして美しい海の両方に貢献したいという、パンテーンのブランド理念に基づいたメッセージを表現。展開ブランド:「新パンテーン エフォートレスシリーズ」コンプリートナイト リペアー。サイズ:シャンプー450mL/トリートメント450g。写真左 シャンプー、写真右 トリートメント

『詰め替えECOPOUCH™』は2021年9月4日から発売中、『アルミボトル』は2021年10月23日に発売。


サステナビリティへの意識改革……美しい世界を目指し、進み続ける


P&Gとその製品が、「持続可能な美しい世界へと導くポジティブな力になりたい」とカンポス氏は言う。そこに込められているのは、同社が提供する製品を通して、環境面のみならず、「品質と性能」「製品の安全性」「成分の情報開示」「サステナビリティ」「平等な機会とインクルーシブな世界の実現」など多面的なアプローチにもつなげていくという強い思いからだ。

「『持続可能な美しい世界』へは、一本道ではありません。今後、意味のある進歩を遂げるためには、総合的な仕組みそのものへアプローチすることが必要であり、ある問題を解決することで、新たな問題を引き起こすという『問題のすり替え』を避けなければなりません。環境保護活動にとどまらず、製品開発や企業活動のあらゆる側面で手を取り合いながら取り組んでいくことが重要だと考えています。つまり、私たちがビューティ製品を選ぶことが生きる世界を選ぶことにつながり、一つ一つの選択に紐づくすべての行動が重要になるのです。『責任を果たすP&Gビューティ』というミッションは、美しい世界へと導くポジティブな力となるための誓約です。これは、システム思考のアプローチであり、『品質と性能』『製品の安全性』『成分の情報開示』『サステナビリティ』『平等な機会とインクルーシブな世界の実現』という5つの基本原則とのつながりや相互の関わり合いを示すためのものです」(同)

カンポス氏はP&Gでサステナブルな取り組みを牽引し続けると同時に、7歳と11歳の2児を持つ母親でもある。「母として、そして社会の一員として、地球を受け継ぐ次の世代のために、私たちは一丸となって行動を起こす必要があります」(同)という。カンポス氏が見つめているのは我が子だけでなく、世界中のすべての子どもたちだ。

「新しい世代の人々は、社会や環境に対する責任とサステナビリティの必要性をより強く認識しており、持続可能な世界へと導くあらゆるものからの解決策を求めていると思います」(同)

他社と協働で使用済み容器の回収・リサイクルも開始



このデザインの回収ボックスは11月1日(月)以降に設置される。

P&Gはもうひとつ、企業の垣根を超えた画期的な取り組みに参加している。「グラムビューティーク リサイクル プログラム」だ。これは、イオングループと容器回収リサイクルを行うテラサイクル他、大手化粧品・日用品メーカー4企業の協力体制のもと、会社、ブランド、購入店などの縛りをなくし、ビューティ製品の使用済み容器を回収・リサイクルしている。自社製品だけでなく、他社の空き容器も対象だ。

回収BOXは現在、全国のイオン及びイオンスタイル88カ所(2021年10月時点)に設置されている。消費者が買い物のついでに気軽に利用しやすい環境を整え、設置場所を増やしていくことで、バージン・プラスチックへの依存度を減らすことができる。

この取り組みは、プラスチック削減につながるだけでなく、マテリアルリサイクル率を向上させる狙いがあるという。「リサイクルへの敷居を低くすることが課題でした」と、カンポス氏は続ける。

「循環型社会のインフラを作ることが不可欠です。消費者がリサイクルに貢献できる環境が整えば、リサイクル率はもっと上がると考えています。このプログラムをきっかけに、消費者の方が無理なく取り入れられるリサイクルを促進することで社会・環境に貢献していければと考えています」(同)

このリサイクルプログラムの最終目的は、すべてのプラスチック廃棄物がマテリアルリサイクルに回されるようになること。P&Gは、サステナビリティをリードし、平等な機会とインクルーシブな世界を実現する責任を果たすブランドとして、より良い製品の提供に留まらず、より持続可能な美しい世界へとアプローチし続けていく。

美しい未来へ向かうには、各人の行動が大切だ。手に取ったときから、使用後までを考えた製品を選ぶことが、これからの世界で求められている消費者の“責任”なのかもしれない。

パンテーン
https://pantene.jp/ja-jp/ecopouch
P&Gジャパン合同会社


カイリーン・カンポス◎日本及び韓国のヘアケア部門ブランドバイスプレジデント。SK-II の「Change Destiny」キャンペーンをはじめ、多様性をテーマに展開するパンテーンの #HairWeGo キャンペーンなど、P&Gで約20年間、さまざまなブランドのマーケティングに携わり、数々の賞(カンヌライオンズ グラスライオン賞ほか)を受賞。プライベートでは二児の母。

製品に関するお問い合わせ先:お客様相談室:0120-021327
(月~金 9:15~17:00)祝日除く

Promoted by P&G / Interview & text by 前川亜紀 / Edit by 本間香奈

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