AirTagにはない強みとは? 紛失防止トラッカーTile CEOに聞く

キーホルダーとして使える「Tile Pro」「Tile Mate」のほか、カード型の「Tile Slim」、シールにより張り付けられる「Tile Sticker」の4製品が発売を迎える


Tileならば財布や鍵に直接装着できる


TileのCEO、Prober氏は「多くの人々が持ち歩く鍵や財布に直接付けて、すぐに使えるプロダクトデザインがTileの特長であり、ホルダーなど別途アクセサリーが必要になるアップルのAirTagと比較した場合のメリットにもなる」と説く。新しいProとMateは本体にキーホルダーのリングが通せる大きめの孔(あな)を設ける。

新世代のTileには3つの新機能が加わる。ひとつは裏面にある「QRコード」を落とし物を拾った人がスマホ等でスキャンすると、落とし主が登録している連絡先を調べて連絡が取れるようになった。


本体の裏面にプリントされたQRコードを読み取ると持ち主の連絡先が調べられる

「スキャン&セキュア」は、持ち主不明のTileが自分の身の回りにないかを調べられる機能。今後のアップデートによる搭載に向けて現在開発が進んでいる。Tileを所有していなくてもスマホにTileアプリを入れて、最大75mから120mまでBluetoothの探索範囲でTileをスキャンできる。例えば自分の持ち物に不審なTileが紛れ込んでいないかを確認する用途に活用してほしいとProber氏は話す。

さらに2022年に発売を予定するTile UltraにはUWB(超広帯域無線通信)機能が内蔵される。同じくUWB対応のスマホをペアリングすると、TileアプリのAR探索メニューを立ち上げてより精度の高いトラッキングができる。グーグルが次期Android 12からOSレベルでUWB対応を強化することから、Tileも新世代のスマホと連携する先進的な探索機能としてこれをアピールしたいとProber氏は意気込む。なお、アップルは既にiPhone 11以降がUWB対応だ。

アップルのネットワークにも対応?


Prober氏は、「AirTagよりもTileが優れている点」をさらに次のように主張する。

まずTileは、本体のボタンを押せばペアリングしたスマホから音を鳴らして“逆探索”ができる。さらに、Tileは1台のデバイスを複数のユーザーがシェアして使える。家族用のスーツケース、社用車のキーなどに付けたTileにアプリから共有するメンバーを登録すればいい。これはAirTagも早く追いつくべき機能だと思う。


Tileからペアリングされているスマホを探したり、1つのタイルを複数のユーザーが使える機能がTileの特長
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文=山本敦

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