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ドイツの米大使館 / Getty Images

米国のバイデン大統領は10月8日、「ハバナ症候群(Havana Syndrome)」と呼ばれる症状を発症した、外交官や政府関係者に政府の支援金を支払う法案に署名したが、その翌日にドイツのベルリンの警察は、現地の米国大使館職員らの報告を受けて、この症状を引き起こしたとされる事件の捜査を開始した。

一部では、今回の事件はロシアの諜報機関の仕業との見方もあがっている。

ロイター通信の10月9日の記事によると、現地警察は8日、「音波兵器を用いた攻撃の疑いがある複数の事件」を捜査していると発表した。警察によると、捜査は8月に開始されたという。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が8月に報じたところによると、ドイツに駐在する少なくとも2人の米政府関係者が、ハバナ症候群の症状を訴えて治療を受けたという。今回、警察が捜査を開始した件は、8日にドイツの週刊誌「デア・シュピーゲル」が最初に報じていた。

専門家たちは、まだこの症状の原因を特定していないが、パルス状の高周波エネルギーが原因ではないかと考えている。ハバナ症候群を発症した人々は、その直前に耳障りな甲高い音を聞いたと報告しており、被害者の中には、難聴や脳組織の損傷など、長期にわたる健康被害を受けた人も存在する。

バイデン大統領は8日、ハバナ症候群の影響を受けた外交官や政府関係者に政府の支援金を支払う法案に署名したが、CIAは7月、オサマ・ビンラディンの発見に重要な役割を果たした政府高官を、ハバナ症候群とその原因を調査するために派遣していた。

ハバナ症候群は、甲高い音が原因で頭痛や吐き気、聴覚障害、記憶障害などの症状を引き起こすもので、世界中で約200人の米政府関係者とその家族が罹患している。この奇妙な症状は、2016年に初めて発生し、キューバのハバナに駐在するアメリカとカナダの外交官に被害を与えたことでその名がつけられた。

その後、この症候群は、中国、ロシア、ポーランド、ジョージア、台湾など世界中で報告されており、最近ではウィーンの米国大使館員の間でも報告された。8月には、ベトナムでハバナ症候群が発生した恐れがあるという報告を受けて、少なくとも2人のハノイ大使館員が避難し、カマラ・ハリス副大統領を乗せたベトナム行きのフライトが、数時間遅れで現地に到着した。

ロシアは関与を否定


米政府はハバナ症候群が、ロシアの諜報機関の攻撃によるものだと非難しているが、ロシアはその関与を否定している。WSJによると、ロシア外務省報道部のアレクサンドル・ビカントフは、この疑惑は「ロシア嫌いのプロパガンダマシン」によるフェイクニュースだと述べている。

WSJによると、「エネルギー・アタック」とも呼ばれる電磁波や高周波を用いた攻撃の技術は、米国と旧ソ連で兵器としてテストされたことがあるという。CIAのウィリアム・バーンズ長官は7月のNPRの取材に、この技術が米国を攻撃するために使用されている「非常に強い可能性」があると述べていた。

編集=上田裕資

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