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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」



ウラカンを前から見た写真

また、同車のために専用に作られたブリヂストン・ポテンザのスポーツタイヤは、そのブレンボー・ブレーキと妙に相性が良く、200km/h以上の速度からのフルブレーキングでもグリップ性がダントツいいし、信じられない速度でコーナーを回れる。正直なところ、これだけのブレーキとタイヤがついていなければ、290km/hまで絶対出さない。だって全開でサーキットを3周回ってもブレーキが全然フェードしないし、タイヤのグリップも衰えない。

後ろから見たウラカン

実際、サーキットに出て第一コーナーを回っただけで、このクルマの可能性に気づく。V10のエンジンは3秒だけで100km/hを超えているし、150km/hから200km/hを超えても、そのサウンドが病みつきになる。とにかくこのV10の加速は凄まじいし、自然吸気だからパワーの出方はリニア。でも、エンジンと同じぐらい気に入ったのは、パドルシフトの操作。ハンドルのすぐ後ろにあって触りここちの良い長細いパドルをパッと引っ張ると、即座にギアをシフトできる。

290km/hから第一コーナーに差し掛かった時に、ブレーキペダルを目一杯踏みつつ、パドルシフトにパパッと触れて7速〜6速〜5速〜4速〜3速〜2速にシフトすると、ウォンといななく様だ。その快感は自分がレーシングドライバーになった気分だ。しかも、STOは後輪駆動だし、ステアリングホイールを思い切り回した時に不思議なほどアンダーステアが出ず、リアステア機能がついているおかげで、後輪が何の問題もなくしっかりとそのままついてきてくれる。こんなに安定したまま速く回れるFR車は経験したことがなかった。

エンジン部分の写真

でも、何よりも、このSTOは乗りやすい。ドライバーはある程度のスキルがあって、しっかりと集中して走れば、かなり速いラップタイムは出せるはず。STOには、LDVIというランボルギーニの脳みたいな、ドライバーの意図と周囲の状況に合わせてクルマの動き全体を制御し的確なレスポンスを生むシステムがついているので、安全に速く走れる。また、「STO」、「トロフェオ」、「ピアッジャ(雨)」という3つのモードがあるけど、STOのままのほうが、どの激しい走りをしてもクルマが最大に安全な姿勢を保とうとする。「トロフェオ」に入れると、乗り心地がより固くなるし、テールが流れたりするので、より注意が必要。

ところで、忘れてならないのがキャビンだ。十分広いコクピットは、高級感とスポーティなデザインがテーマ。ドライバー前のデジタルモニターは読みやすいし、スイッチ類も押しやすい。血が騒ぐ2つのスイッチはコンソールの真ん中の赤いスタートボタンとハンドルの下にあるドライブモードのスイッチ。シートが多少硬いけど、高速コーナーでのホールド性は素晴らしい。

ウラカンの運転席

正直なところ、このウラカンSTOはライバルのマクラーレン、フェラーリ、AMGよりもパワーは少し劣るものの、軽量化とハンドリングの良さのおかげで、勝負強いと言える。しかし、ランボルギーニのラインアップからこのV10が消えることになっているにもかかわらず、V12ハイブリッドが残るので、究極のエモーショナルなスーパーカーに大いに期待できると同社の役員がいう。ところで、もし4100万円ぐらい余っていたら、ウラカンSTOをぜひ一台ご検討くだいませ。絶対後悔しないと思う。

国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
「ライオンのひと吠え」過去記事はこちら

文=ピーター・ライオン

ランボルギーニ
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