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VCのインサイト


また、長期的に見れば、起業家に与えた印象は私たち自身の評価に直接影響し、彼らが次回以降のラウンドで私たちと再び対話したいと感じるかどうかも左右します。この点について、軽く考えている投資家もいるようですが、個人的には全く理解できません。

起業家をあからさまに軽視した対応や、相手の意見を遮って自分たちの主張ばかりしたり、真剣に交渉を重ねてきたはずがいきなり無視して突き放したりする投資家の話も聞きます。起業家に対して非常に失礼であるばかりか、もはやどちら側にとっても何も良いことがありません。

逆の立場でも同じことが言えます。相手からの誠意ある断り方に対して、相応の対応ができない起業家は自分で自分の首を絞めているようなものです。最後に与えた印象が、相手の記憶に最も強く残ります。つまり、結果的にそのときは資金を得ることができなくても、相手に対して良い印象を残すことができれば、将来的に別の新しい機会につながるかもしれないのです。

ポイントは、長期的に考えることです。多くの場合、「ノー」はただ単に「今はできない」という意味です。今は投資できないけど、次のラウンドでは投資できるかもしれない。もしくは、あなたが次に立ち上げる企業や、あなたが紹介する別の企業になら投資できるかもしれないという意味です。それに対して、あなたのほうも、断った側の人間を今後採用したり、彼らの下で働いたり、別の形で将来的に協力する可能性がないとは言い切れません。相手から断られて険悪になり、完全に関係を断つことにはなんのメリットもないのです。誠意ある対応で断られたならなおさらそうです。

Coralの3号ファンドでも、5年間断られ続けて、やっとファンドへの出資に「イエス」の返答をくれた投資家が何社かありました。私たちから起業家への出資に関しても、最初は断ったものの、結果的に出資することになったスタートアップもあります。

断られるというのは、この業界では当たり前に起こることであり、単にその時点での一時的な評価にしか過ぎないのです。落ち込んで悔しくなる気持ちは、私自身もそうなのでよくわかりますが、長期的な視点で考えていきましょう。

良い印象を残し、相手が後々断ったことを後悔するくらい努力し続けるのが最も前向きな態度です。結局のところ、成功こそが相手を見返す一番の方法ですしね!

連載:VCのインサイト
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文=James Riney

資金調達
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