ビジネス

2021.10.06

デジタルサービス企業へ。リコー山下CEO流「強い」組織のつくり方


リコーは、創業100周年を迎える2036年に向け、新たに2036年ビジョン「“はたらく”に 歓びを」を制定した。

このビジョンの実現に向けて社員に“はたらく歓び”を感じてもらうべく、まず2020年3月に行ったのが通称「つながり表明」活動だ。自分の職務とSDGsとのつながりを意識してもらうための取り組みである。

例えば、小学生の子どもに「お父さん・お母さんは会社でどんな仕事しているの?」と聞かれたとき、「複写機の設計をしている」と答えても小学生にはピンと来ない。そこで、「今までの半分の電力でコピーが取れるように、機械の設計をしているんだよ」などと、社会貢献性を含めて語れるようにしようというもの。仕事への誇りを感じてもらい、家族にとっても“歓び”を生み出したい、という思いで始めた活動だ。

「“はたらく歓び”とは、『リコーで仕事をして幸せですか』という質問に、YESで答えられるようになるということ。こういった活動や施策を通して、年齢や性別、宗教、障害などの有無に関係なく、全員がフェアに働ける環境をつくりたい。そうすることで、お客さまやステークホルダーも共感する人が集まり、よりよい社会につながっていくと信じています」

コロナ禍で早急にデジタルサービスの会社へと転換を図るリコー。創業時から根付いてきた「三愛精神」と山下の「サステナブル経営」が、社会課題の解決を自分ごととして捉えて挑戦する企業風土の醸成に大きな役割を果たし、ビジネスの成長と企業の成長につながっている。

文=堤美佳子 取材・編集=田中友梨 撮影=小田光二

タグ:

連載

最強のサステナブル企業100社

ForbesBrandVoice

人気記事