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東京ディープチャイナ


それにしても、世界各地で見かける中国人留学生たちの存在がいまほど気になる時代はない。この世代は、中国が経済発展を確かなものとした2000年代以降に成長した人たちだ。彼らは、この時代の中国の空気を吸って育った世代に特有ともいうべき、ある種の万能感を持ちつつ、前向きで積極的な自己実現に向かっている。

筆者が主宰する東京ディープチャイナ研究会のメンバーで、京都在住のグルメライターの浜井幸子さんは「関西はまだ東京ほどチャイニーズ中華の店が多いわけではないけれど、それらの店はやはり留学生が多い大学周辺に集中している」と指摘する。

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チャイニーズ中華の店では、たいてい日本も含めた複数のデリバリーサービスを併用している

これはおそらく世界に共通する現象で、東京では高田馬場に出店が増えているのも同じ理由だ。前出の巩さんは現在の事業の取り組みについてこう語る。

「弊社がいま注力しているのは、中華料理の分野で店舗と顧客を開拓し、競合サービスとの差別化を図り、ブランド力を固めることだ。我々は店舗とお客さんのどちらにも使ってもらえるような信頼を得たいと考えている」


加盟店の四川料理店とコラボして制作したPRスタンド。店の宣伝とともに顧客の利用促進を狙ったものだ

同社にとって同胞が営む加盟店は大切な協業のパートナーという意識がある。「いかに加盟店の売上に貢献できるかが差別化のカギだ」と彼は話す。アプリのラインナップに掲載するメニューについても、全世界の同サービスの売れ筋データの提供などを通じてアドバイスしているという。いまの若い中国の人たちの嗜好は世界中どこにいてもそう変わらないからだ。

もっとも、ビジネスである以上、ターゲットを日本に住む中国の人たちに限るという考えに固執しているわけではないようだ。本場の中華料理を求めている日本人もいると考えている。現在、同社では新たな可能性を追求すべく、日本人にも利用しやすいアプリ開発を進めているそうだ。

連載:東京ディープチャイナ
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文=中村正人 写真=東京ディープチャイナ研究会

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