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Ascannio / Shutterstock.com

TSMCやサムスンに次ぐ世界3位の半導体メーカーである「グローバルファウンドリーズ(GlobalFoundries)」は10月4日、米国証券取引委員会(SEC)に上場目論見書を提出した。アブダビの政府系ファンドのムバダラ・インベストメントが保有する同社は、半導体分野への投資が増加し、この業界の収益が今後10年間で2倍になると予想されていることを追い風に、IPOに踏み切ろうとしている。

グローバルファウンドリーズは、ナスダックに上場予定で、プレースホルダーに10億ドルを設定している。ロイターは8月に、同社が最大250億ドル(約2.8兆円)の評価額を視野に入れていると報じていた。

グローバルファウンドリーズは、クアルコム、ブロードコム、サムスン、アドバンスト・マイクロ・デバイセズなどの顧客が設計した、自動車のインフォテインメントシステムやブレーキなどに使用されるチップを製造している。

同社の今年上半期の総収入は30億4000万ドルで、前年同期比で約13%増加し、純損失は前年同期の5億3400万ドルから3億100万ドルに縮小した。同社は、ニューヨーク州に2つの工場とバーモント州に1つの工場を持ち、ドイツとシンガポールにもそれぞれ工場を持っている。

グローバルファウンドリーズは、2009年にムバダラがアドバンスト・マイクロ・デバイセズの製造部門を買収して設立された企業で、その後、シンガポールのチャータード・セミコンダクター・マニュファクチャリングと合併した。

グローバルファウンドリーズの本社は、ニューヨーク州マルタに置かれているが、ムバダラはケイマン諸島で同社を法人化したため、課税を免除されている。同社は、ナスダックの規則を遵守する必要がなく、取締役会のほとんどを独立取締役が占めている。

世界的チップ不足は継続の見通し


今回のIPO申請に先立ち、インテルがグローバルファウンドリーズを買収するとの見通しを複数のメディアが報じたが、CEOのトム・コーフィールドはこれを否定した。ロイターによると、グローバルファウンドリーズは、この買収がインテルのライバルで同社の最大の顧客であるAMDなどを怒らせることを危惧したという。

一方、パンデミックの影響で電子機器に対する要求が高まり、チップの需要が急増したことで、世界的なチップ不足が発生した。この問題は、自動車メーカーなどの複数の産業に影響を与え、投資家たちに、TSMCやサムスンが独占する市場にさらなる資金を注ぐよう促している。

世界的な半導体不足は来年も続くと予想され、米国をはじめとする各国は少数の企業への依存度を下げようとしていることから、さらなる資金流入が期待されている。グローバルファウンドリーズは目論見書の中で、業界の収益が今後10年間で「倍増」すると述べている。

ロイターによると、インテル、サムスン、TSMCが今年、半導体に注入する投資額の合計は750億ドルに達する見通しという。2019年の3社の投資額は約500億ドルだった。

編集=上田裕資

IPOインテル

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