フェイスブック障害はBGPが原因か、ハッカー関与の見方も

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フェイスブックと同社が運営するメッセンジャー、ワッツアップ、インスタグラムなどのサービスが10月4日、6時間近くの間停止した。専門家は、この問題の核心がネットのインフラの重要な要素である「ドメインネームシステム(DNS)」と「ボーダーゲートウェイプロトコル(BGP)」の2つにあると述べている。

DNSは、インターネットの電話帳に例えられる。誰かがブラウザにfacebook.comなどのサイトの名前を入力すると、コンピュータが認識するためのIPアドレスと呼ばれる長い数字の文字列に変換される。DNSは、ユーザーが探しているサイトのアドレスをブラウザに伝え、ブラウザはそのアドレスにメッセージを送信して、関連付けられた画像やコンテンツを要求する。

一方で、BGPは郵便サービスに例えられる。インターネットは均質なネットワークではなく、自律システムと呼ばれる小規模なネットワークの巨大な集合体だ。これらの小さなネットワークは、ベライゾンやAT&Tなどのインターネットサービスプロバイダー(ISP)によって運営されていることが多く、膨大な数のルーターで構成されている。

データはこれらの小さなネットワークを介して送信されるが、BGPは、データを運ぶ上での最も効率的な経路を決定するための一連のルールだ。

ネットワーク監視会社ケンティック(Kentik)のダグ・マドリーは、「BGPは、インターネット企業がウェブ上でメッセージをやり取りするためのシステムだ」と説明する。ルーター間では、特定のブロックのアドレスに到達する方法について、常に更新情報が交換されており、企業はIANAなどの協力を得て、自社のアドレスに割り当てられたルートを監視している。

SANS Technology Instituteのリサーチ責任者のヨハネス・ウルリッヒは、「BGPは管理が複雑なプロトコルであり、技術チームが更新時にミスを犯すことも珍しくない」と述べている。

また、何らかの悪意のある行為が障害の原因となることもある。2008年には、パキスタンのISPがBGPを操作して、国内のユーザーのユーチューブのアクセスをブロックしたが、この行為はドミノ効果を引き起こし、最終的には大規模なアクセス障害につながっていた。
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編集=上田裕資

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