ビジネス

2021.10.05

細かなマネジメントを必要としない、自律した組織の作り方|ココナラ 南章行 #4

ココナラ代表取締役会長 南章行


すべては「自分を深く知る」ことから


──あらためて、南さんが起業されたきっかけについてお聞かせください。

私は「起業したい」と思ったことが無いんですよ。むしろしたくなかった。

父親が事業経営をやっていて苦労しているのを見ていたので、私はそういう人をサポートしたいという思いで銀行・投資ファンドで企業再生のキャリアを選んできました。

ただ転機となったのは、NPOを2つ立ち上げたことです。別に起業したかったわけではないのですが、「面白いからやりたい!」という感じで立ち上げてみると、それがすごく楽しくて。加えて、世の中の課題に対する感度が非常に上がりました。

そして自分のやりたいことのスケールが大きくなるにつれて、タイミングと経験などが偶然マッチして、起業という方法にたどり着きました。あくまで「ミッションドリブン」で会社を作りましたし、その方が私に向いていたのだと思います。

逆に「良い会社を作りたい!」「何か社会にインパクトを出したい!」という人は、「バリュードリブン」で始めた方がいい。それが価値観に合っているからです。

繰り返しになりますが「自分への深い理解」からすべてはスタートするのです。

──ありがとうございます。では最後に、読者である起業家予備軍、若手起業家のみなさんへメッセージをお願いいたします

起業したい人、起業ではなく経営者になりたい人、あるいは「とにかく自分の人生を満たされたものにしたい!」と思って働いている人はすごく多いと思います。

キャリアで成功するためにすごく大事なことは「自分自身を深く知る」ことから始まると思っています。

自分が本当にどんなモチベーションで生きているのか、どんな社会を作りたいのか。「こんなこと出来たらかっこいいな」「こういう生活したいな」とかいうことではなく、「自分自身にとっての本当の幸せって何だろう」「一番グッとくることはなんだろう」ということだけを見続けてください。

そうすれば自然とそれが起業に繋がる人は繋がるし、ビジネス設計のベースにもなるし、幸せな働き方も自然と見えてくるのかなと思ってます。

起業も経営もビジネスパーソンとして生きることも、自分自身が幸せに生きるための一つの手段でしかありません。なのであまり形に捉われることなく、とにかく「自分自身の深い部分」を見つめることを大事にしてください。

一方で、ただ見つめるだけでは見つからないこともあります。そんな時は、とにかく目の前にある「グッとくること」を本気でやってみてください。そうすれば「自分自身を深く知る」きっかけになると思います。

皆さん頑張っていただけたらと思いますし、もしまだ「本当にやりたいこと」が見つかってないということであれば、是非ココナラに来ていただいて一緒に働きましょう。そんな皆さんをお待ちしています。


南章行(みなみあきゆき)◎1975年生まれ。株式会社ココナラ 代表取締役会長。慶応義塾大学卒、英国オックスフォード大学経営大学院(MBA)修了。住友銀行(現三井住友銀行)でアナリスト業務を経験した後、アドバンテッジパートナーズにて約7年で5件の企業買収を担当。その傍ら、NPO法人ブラストビート、NPO法人二枚目の名刺の立ち上げに参画。2012年1月に自ら代表として株式会社ウェルセルフ(現株式会社ココナラ)を設立。一般社団法人シェアリングエコノミー協会理事。

連載:起業家たちの「頭の中」
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文=吉田俊也 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc. 編集=露原直人

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