ビジネス

2021.10.05

細かなマネジメントを必要としない、自律した組織の作り方|ココナラ 南章行 #4

ココナラ代表取締役会長 南章行

「知識・スキル・経験」といった得意を売り買いする日本最大級のスキルマーケット「ココナラ」。2012年のサービスリリース以来、順調に成長をし続け、ユーザー数190万人(2020年10月時点)、累積取引件数も480万件(2020年9月時点)を超えるなど、知識・スキル・経験を売買できる国内最大級のマーケットプレイスに成長している。

同サービスを牽引する株式会社ココナラ 代表取締役会長 南章行(みなみあきゆき)氏に起業家としての素養、事業立ち上げなどについて、DIMENSIONビジネスプロデューサーの吉田俊也が聞いた(全4話中4話)

第1話:なぜ、起業家には「自分への深い理解」が必要か
第2話:合理的に見える事業はNG 仮説通りに行くビジネスプランの鉄則
第3話:全局落ちから「得意を売り買いココナラ」のTVCMが生まれるまで


──採用についてお聞かせください。人材を採用する際に、どのような点を大切にされていますか?

まず前提として「スキル」の見極めは非常に難しいです。もちろんあの手この手でスキルチェックをしようとはしていますが、見切れない部分がどうしても出てくるものだと思っています。

その解決方法として、我々が重要視している採用基準はスキルではなく「スタンス」です。スタンスさえ良ければ、例え不足している部分があっても皆でサポートして引き上げることができるからです。

スタンスの定義は「ミッションに向かって頑張れること」。ミッションを実現するために頑張ろうとさえしていれば、弊社は皆が助けてくれる会社なのです。

──「スタンス」をどのように見極めるのでしょうか?

私の採用面接では、仕事の話をほとんど聞かないですね。

幼少期の日々から始まり、なぜその部活を選んだのか、なぜその大学を選んだのかといった風な雑談のような会話から「なぜ?」を深掘りしていき、その人のモチベーションの源泉に触れていきます。そしてそれがココナラのミッションにフィットするかをジャッジしています。

もう一つ見ているのが「自分らしく生きているか」というポイント。

「一人ひとりが『自分のストーリー』を生きていく世の中をつくる」というのがココナラのビジョンですから、それを体現できる人でないとサービスを作ることはできません。ゆえに他人の尺度を気にする人はココナラにはマッチしません。

一人一人の社員が自らの意思で、ミッションに近づくと思う意思決定を日々し続ける。そういう人で溢れていると、マイクロマネジメントをしなくとも、勝手に組織はミッションに向かって進んでいきます。

ココナラはメンバーの「スキル」を信じるのではなく「スタンス」を信じているからこそ、個々人が自律した組織風土が出来上がっています。
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文=吉田俊也 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc. 編集=露原直人

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