しかし、食品や化粧品とは異なり、洗剤やハンドソープには成分表示が義務付けられておらず、この習慣を維持するのは難しい。ドラッグストアでおなじみの「Mrs.Meyer’s」や「Method」などのブランドは、サステナブルな製品をアピールしているが、デザインに造詣が深い彼は、もっと良い方法があると考えた。
「問題は、多くの製品がプラスチックのパッケージを使っていることだ」とラップバーガーは話す。
彼は、大学の同級生らと4年間に渡り研究開発を行った結果、ナチュラルクリーニングブランドの「クリーンカルト(Cleancult)」を立ち上げた。
同社は洗濯用洗剤、ハンドソープ、食器用洗剤などの製品を、カラフルな牛乳パッケージのようなカートンや再利用可能なガラス容器に入れて提供する。クリーンカルトは、ウェブ販売を中心としたサブスクリプション型のD2C企業として2019年に始動し、2020年にCVSなどの大手小売店にも進出した。
ニューヨーク本拠のクリーンカルトは9月28日、シリーズBラウンドで2500万ドル(約28億円)を調達したことを発表した。
今回の調達に参加したVanterra CapitalのパートナーのSteven Himmelは、「彼らが取り組む脱プラスチックのムーブメントとビジネスは非常に興味深く、オンラインでの存在感も高めている」と話している。同社の他の出資元には、コメディアンのケビン・ハートのHartbeat VenturesやReynolds Channel、Anchor Capital、Box Group、Maywic Capitalなどが挙げられる。
クリーンカルトのユーザーは、まず再利用可能なコンテナを購入し、定期的に詰め替え用のプロダクトを購入する。同社の製品は、特許取得済みのココナッツベースの洗浄剤をベースにしているが、最大の強みはパッケージだとラップバーガーは話している。
同社の詰め替え用のカラフルなコンテナはリサイクル可能で、他の市販のクリーナーと同様なサイズのため、大手ドラッグストアの棚にも置きやすいとラップバーガーは語る。
「当社は、大手小売店の店に並ぶ数少ないゼロ・ウェイスト(廃棄物ゼロ)ブランドとして、販売を強化していきたい」と彼は話す。
同社は2025年までにプラスチックパッケージの50%を効果的にリサイクルまたはコンポスト化することを目指す米国プラスチック協定(U.S. Plastics Pact)にも参加している。
クリーンカルトは今、ホールフーズやCVSなど、すべての小売店パートナーとの関係を強化しようとしている。「当社のゴールは、価格や便利さを犠牲にすることなく、最高のブランドと並ぶようになることだ。3〜5年後には、その夢を実現したい」とラップバーガーは語った。