米の未接種者の大半、ワクチン拒否派と感染者増は「無関係」の見方

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米国人の大半は、新型コロナウイルスの感染者が大幅に増加した要因として、「ワクチン接種を拒否する人たちがいること」を挙げている。

治療に使用される抗体薬が大幅に不足し、政府が各州に分配する状況になっていること、医療体制がひっ迫している州があることについても、接種を拒否する人たちを非難している。

一方、そうした現状に対する責任が「自らにある」と考える未接種者は、ほとんどいないようだ。カイザーファミリー財団が9月13〜22日に米国の成人1519人を対象に行った調査の結果、国内の感染状況に対する見方は、ワクチンの接種状況によって大きく異なることが浮き彫りになった。

調査では、ワクチン接種を受けた人の77%が、感染者が多いのは「接種を拒否する人たちがいるためだ」と答えた。そのほかの要因としては、次のような回答が挙げられている。

・マスク着用やソーシャルディスタンスの確保などの感染対策が不十分な人がいる─73%
・感染力が強まった変異株(デルタ株)が主流になった─67%
・州政府・自治体が行動制限の緩和を急ぎすぎた─59%

だが、ワクチン未接種の人の回答をみると、感染者数の増加の背景にある主な要因が「接種を拒否する人がいること」だと考えている人は、わずか12%だった。
この人たちの大半は、原因はワクチンそのものだと指摘している。「ワクチンの感染予防効果が、科学者たちが当初見込んでいたより低かったことが要因」と答えた人は、58%に上った。

一方、接種を拒否する人の存在が要因になっていると答えた人は、最も少なくない割合となっている。これらの人たちはその主な理由として、以下を挙げている。

・接種を受けられない子どもたちがいる─15%
・政府が行動制限の緩和を急ぎすぎた─27%
・デルタ株の感染力が強い─35%
・一部の人の感染対策が不十分─37%
・移民や旅行者が国外からウイルスを持ち込んでいる─40%

また、ワクチンに効果がないために「ブレイクスルー感染が発生」し、「追加接種が必要とされている」と答えた未接種者は、それぞれ66%、71%だった。一方、接種を受けた人のうち、同じように答えた人は、11%、19%だった。
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編集=木内涼子

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