米の未接種者の大半、ワクチン拒否派と感染者増は「無関係」の見方

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ワクチンは「政治問題」


新型コロナウイルスのパンデミックが発生して以来、米国ではワクチンは、まさに党派的な問題となってきた。共和党支持者には一貫して、ワクチンを受け入れる可能性が低い傾向がみられる。パンデミックを収束させるために必要とされる公衆衛生上の対策を疑問視する人が多いのも、共和党の支持者だ。

この最新の世論調査でも、同様の結果が示されている。感染者が多数にのぼる原因が「ワクチン接種を拒否する人がいること」にあると考える人の割合が最も少ないのは、共和党の支持者だ(32%)。民主党支持者と無党派層でこのように考える人は、87%、54%となっている。

また、このウイルスを国内に持ち込んでいるとして、移民や旅行者を非難する人が最も多いのは共和党支持者(55%)であり、民主党支持者と無党派層でそうした考えを示したのは、それぞれ21%、34%だ。

感染者のうち、入院者の大部分、そして死者のほぼ全員を占めるのが、ワクチン未接種の人となっている。そして、これらの人たちの治療にかかった費用は6~8月の3カ月間だけで、少なくとも57億ドル(約6330億円)にのぼったと推測されている。

新型コロナ感染症の治療薬は承認されているものが少なく、一部地域での需要の急増を受け、政府は供給不足に対応するためとして、これらを当局による分配制とした。そのため感染者が特に多い州では、治療を必要とする患者に優先順位を付けざるをえない状況となっている。

編集=木内涼子

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