──「消耗」とはどういうことでしょうか。
Will(やりたい/やりたくない)、Can(できる/できない)の4象限で考えるとわかりやすいかもしれません。
この4象限の中で「消耗」とは「できるけど、やりたくない」の部分。実はここを強みと捉えて戦ってしまっている人がすごく多いのです。
例えば私は前職で鍛えられたので、資料作成が社内メンバーの中では相対的に得意な方だと思います。では資料作成が自分の強みかというと、そうではない。なぜなら、資料作成は「できるけど、やりたくない」ものだからです。そういうワクワクしないことをやり続けていくと、次第に「消耗」してしまうのです。
では本当の「強み」とは何かというと「できるし、やりたい」ことなんです。
例えば、私はエクセルで計算モデルをどれだけ触っていても苦にならないどころか、むしろ時間が過ぎるのも忘れるくらい楽しくて幸せです(笑)。自分が他人よりも圧倒的に関数に詳しいということではないけれど、自然とできて、やっていて楽しい。実はこういうものが本当の「強み」だと思うんです。
自然とできちゃうゆえに気付きにくいのがこの「強み」の性質。なので過去の仕事を振り返って楽しかったこと、あるいは人より自然にできたことを意識的に探すと、自分の強みに気づくことができると思います。
私もその視点を持てるようになってから、自分の「強み」を明確化できるようになり、ビジネスパーソンとしてのレベルも、幸福度も上がったと感じています。この記事を読んでいるみなさんも、ぜひ自分の本当の「強み」を見つけて幸せになってほしいですね。
非合理に見える「真実」を探せ
──ココナラは「知識・スキル・経験」を売り買いできるスキルマーケットという新しいコンセプトのサービスですが、立ち上げの経緯についてお聞かせください。
我々は創業前にコンセプトや戦略を相当に練りこんでいて、大部分において創業前の仮説通りにここまでやってきています。そうなった要因の中で特に大切なのが「世間からは非合理に見える真実」が創業時から見えていたということです。
スタートアップを起業する際に、誰からも合理的に見えるビジネスプランというのは100%NG。なぜなら、その市場は大資本を持つプレーヤーが必ず勝つからです。
GoogleもAirbnbも、最初は誰も彼らが大きくなるなんて思っていませんでした。でも彼らだけに見えていた「真実」があって、それがいま現実となりました。
大きな事業を創る起業家のビジネスプランは「世間からは非合理」に見えなくてはいけない。そして、「起業家にだけ見えている真実」があることが鉄則なのです。