ナプキンやタンポン買えない生理の貧困 月経カップが解決策に?

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貧しい生活をしている学生は、本の購入や学費・家賃の支払いとの間で難しい決断を迫られる。なんとか家計をやりくりしようとしている人にとって、ナプキンやタンポンのコストは追加の過剰負担となる可能性がある。貧しい学生たちはトイレに座ったり古いタオルに血を吸わせたりを繰り返す中、自分の体が原因で学びを続けられないと感じるかもしれない。

幸運なことに「キャンパスカップ(CampusCup)」と呼ばれる新たな取り組みが現在、米国全土の大学生に月経カップを提供し連帯感を表明している。

キャンパスカップはこれまで93の大学で月経カップを無償配布してきた。同プロジェクトは、持続可能な生理用品を専門とするウェルネス企業オールマターズ(AllMatters)が支援している。

オールマターズのクリエーティブプロジェクト責任者のマダレナ・リマンは、キャンパスカップの取り組みが生理の貧困に関する沈黙を破ろうとしていると説明した。

「月経は、世界人口の半分にとって生活の一部だ。そのため、生理にいまだにスティグマ(汚名)や誤った認識、タブーがあるのはおかしい」 (リマン)

月経カップは繰り返し使用できるため、生理の貧困と闘う上で強力なツールとなり得る。柔軟性があるシリコンカップを膣(ちつ)管に挿入して使用し、カップは膣内の所定の場所に吸着して血や分泌物を集めるため、1つのカップで数千ものナプキンやタンポンの代わりを果たすことができる。

リマンは「キャンパスカップは、学生が毎月使うことができる人生を変えるような商品として月経カップを導入し、価格の障壁を取り除くことを目標としている」と述べた。月経カップは1日を通して使用でき、外して中の血をトイレに捨てればまた膣内に挿入できる。生理が終わったらカップを煮沸消毒し、次の生理に備えられる。

リマンは生理の貧困が現実であることを理解していたものの、非常に多くの学生が生理の格差の解決策として月経カップを支持してきたことにいまだに驚かされている。一部の学生は、大学が保健センターや学生自治会を通し、生理用品の無償提供のための資金を割り当てたと報告している。こうした変化は大きな影響を生むことができる。

一つの月経カップは最大10年使用可能だ。そのためキャンパスカップは、貧困状態にある大学生にとって非常に重要な支援と安心を届けている。英ロイター通信によると、生理がある人の4人に1人は生理用品の費用について懸念を持っている。

このデータは大学生に限らず、10代の若者や成人を対象としたものではあるものの、大学生が月経カップを受け取れば卒業後に生理の貧困を経験する可能性は低くなるかもしれない。使い捨てのナプキンやタンポンの代わりに月経カップを使えば、1000ドル(約11万円)以上を節約できる。

翻訳・編集=出田静

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