ナプキンやタンポン買えない生理の貧困 月経カップが解決策に?

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米国の多くの大学生は、インスタントヌードルで生き延びるような苦しい経済状況にある。一部の若者はこうしたわずかな予算では生活もままならず、下着にかける金などもってのほかだ。

女性・少女の健康に関する専門誌BMCウィメンズ・ヘルス(BMC Women’s Health)に今年1月に掲載された研究によると、米国の大学生の10人に1人は生理用ナプキンやタンポン、その他の生理用品を購入する経済的余裕がない。月経だけでも十分苦痛なのに、経済的な問題さえ存在するのだ。

生理の貧困は、生理を経験する多くの人に影響を与えている。しかし、こうした人の多くは経済的なニーズについて沈黙を貫いている。

生理の平等化を目指す団体ピリオド・イクイティ(Period Equity)の共同創業者であるジェニファー・ワイスウルフは、女性向けオンライン誌バスル(Bustle)に対し「米国を含め欧米諸国では、ここで(生理の貧困が)現実的に起きるはずがないと考えられている」と述べた。それはなぜだろう?

生理が、いまだに触れてはいけない話題とされているコミュニティーもある。生理について、またそこから派生して生理用品を購入できないことについて話すことに居心地の悪さを感じる人もいるのだ。

女性の大部分は、自分が生理中であることさえ隠したことがあると報告している。こうした女性は、トイレに向かう際に袖やバッグにタンポンやナプキンを隠すかもしれない。それを考えると、生理の貧困について隠すかもしれない人がいるのは本当に意外だろうか?

学生は、こうした健康格差に日常的に対応しなければならない。生理ナプキンやタンポンを買えなければ、授業や仕事に出られない可能性もある。

フロリダ大学の学部生であるケイリー・レジャーは、この状況を実際に経験している。「私には多嚢胞(のうほう)性卵巣症候群(PCOS)があるが、ときどきそれが幸運なことのように感じられる。PCOSのおかげで定期的に月経がなく、軽く出血するだけだ。友人のように定期的な生理があっても、簡単にナプキンやタンポンを購入できないだろうと思う。こうした商品は非常に高額だ」と述べている。

米国でタンポンやナプキンにかかる平均費用は月9ドル(約1000円)ほどだ。しかし、生理不順を抱える人や出血量が多い人はそれよりはるかに高い費用を必要とするかもしれない。これは大した額ではないように思えるかもしれないが、1年単位で見ると100ドル(約1万1000円)を超えかねない。
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翻訳・編集=出田静

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