アマゾンが初のロボットを発表、「Alexa」はこれからどう変わる?

アマゾンが初のAlexa搭載ロボット「Astro」を発表した


今年のイベントでアマゾンはデバイスだけでなく、様々な新しいサービスを発表した。例えば警備会社とパートナーシップを組んでアマゾンのデバイスを活用した高度なホームセキュリティサービスを提供する「Ring Virtual Security Guard」や、遠隔地に住む高齢の家族を見守るための「Alexa Together」などが、秋以降に米国で続々と立ち上がる。


Amazonが警備のプロと提携してセキュリティサービス「Ring Virtual Security Guard」を提供する

アマゾンはAstroをはじめ、同社のスマートデバイスにこれらのサービスを積極的につなぎ込む方針を明らかにしている。同社のデバイス&サービス部門シニアバイスプレジデントのデイヴ・リンプ氏は、スマートデバイスは「アマゾンのサービスとユーザーをつなぎ、豊かな生活を提供するための媒介」であると述べている。ユーザーがデバイスを可能な限りシンプルに扱えるように、音声やタッチパネル、モバイルアプリ等はユーザーインターフェースの簡潔さを追求してきた。

昨年にはデバイスがクラウドのパワーに依存することなく、より高度な機械学習とAIの処理をオフラインでもこなせるように独自設計のチップセット「AZ1」を発表。今年はさらに強化を図った第2世代の「AZ2」チップを、日本発売も決まった15.6インチの大型スマートスクリーンの新製品「Echo Show 15」に搭載する。


日本でも発売されるスマートスクリーンの新製品「Echo Show 15」にもAZ2チップが搭載される

AZ2はあたかも人間と話すように自然な音声会話をAIとの間で実現する専用チップでもある。Alexa搭載のデバイスを家の中に複数個設置すれば、どこにいてもAlexaに話しかけて必要な情報を調べたり、Alexaにつながるサービスが呼び出せる。「家まるごとAlexaに対応」するスマートホームが作れるのだ。

リンプ氏はアマゾンが目指すこれからのAIの在り方について、「Alexaに対応する機器やサービスが織物のように有機的に結びつきながら、ユーザーの生活に遍在するAmbient Intelligence(包み込むような人工知能)」のコンセプトを追求すると説いている。
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文=山本 敦 写真=アマゾン提供

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