1時間以上のイヤホンはキケン!? コロナ禍に忍び寄る「イヤホン難聴」の実態

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1週間の点滴治療が完治への近道


──抜けたら最後(泣)。ではどうやって治療するのでしょうか?

医師によっても違いますが、ステロイドの飲み薬や点滴が一般的です。ただいちばんいいのは1週間ぐらい入院して、毎日点滴を受けることです。芸能人や医者は突発性難聴になる人が多い職業ですが、彼らはどんなに忙しくても入院することが多い。入院して点滴するのが最も効率がいいからです。

──1週間も入院するんですか!? 思ったよりも重病ですね……。早く退院するためにも早期発見が大切なんですね!

いいえ。早期発見をしても入院期間は短縮しません。イヤホン難聴の自覚症状には段階があるのですが、早く治療すれば治る可能性が高くなるということです。

半日続く耳鳴りは要注意!



(c) Aleksej Sarifulin/iStock

──イヤホン難聴にはどんな段階があるのですか。

最初は耳鳴りです。1日数十分程度の耳鳴りなら問題ありませんが、イヤホンを使って耳鳴りがしたり、半日続くようなら危険信号です。

次のステップは耳閉感。山に登ったり、飛行機に乗ると耳の奥が詰まったようになることがありますよね。あれと同じような症状が現れます。これも短時間で治れば問題ありませんが、半日近く続くようなら病院に行きましょう。この段階できちんと治療をすれば、治る可能性はあります。

そして最後が難聴です。片耳の音が小さく感じたら、もう難聴です。いち早く病院に行ってください。進行すると治らなくなるので、様子を見ている余裕はありません。

──どうやったら、早期発見できますか?

以下のチェックリストを確認してください。

□ 同じ手を使い、左右それぞれの耳元で指を鳴らしたときに、左右差がある。
□ 耳鳴りが数時間続くことがある。
□ めまいを起こしたことがある。
□ 音がした方向がわからない。

ひとつでもチェックが入ったら危険。すぐに耳鼻科に行った方がいいでしょう。
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取材・文=林田順子

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