ビジネス

2021.10.01

脱アマゾンを目指す小売店と提携、Eコマース支援のミラクル

ミラクルCEO アドリアン・ヌッセンバウム(Kevin Dietsch/Getty Images)


2011年創業のミラクルは、マーケットプレイスを手早く簡単に立ち上げるためのテクノロジーを提供している。2021年のGMVは、前年2020年の31億ドルを上回る50億ドルになる見込みだという。

ミラクルは2020年から、販売業者のディレクトリをオンライン上で閲覧できるようにした。これにより小売店は、オンライン販売に意欲的な多数のブランドと接触できるようになった。ミラクルを利用する小売店は、実際の仕事は必要最低限で済む。在庫に手を触れることもなく多数の商品をオンラインに追加でき、購入者への商品発送はセラーに任せておけるからだ。

たとえばベスト・バイは、ミラクルのプラットフォームを利用して、同社のカナダ向けサイトに新規の販売業者を積極的に追加した。目指しているのは、あらゆる家電を取りそろえたワンストップショップだ。ここ5年で取扱商品は400万点以上も追加され、それらの商品は、いまや全体の95%を占めるまでとなった。サイトトラフィックは3~4%増加。注文4件中1件は、サードパーティのセラーが応じている。

当然ながら、小売店がアマゾンの品揃えに対抗することは不可能だ。しかし、ミラクルが提携している小売店は、アマゾンと張り合うつもりなどない、とヌッセンバウムは話す。アマゾンは取扱商品が膨大で、まさにカオスだ。それに対して、ミラクルを利用する小売店は、厳選した商品を提供している。ヌッセンバウムの考えでは、適切な商品数を取り揃えて提供することにはメリットがある。商品が少なすぎて消費者が欲しいものを見つけられないということはなく、かといって圧倒されるほど選択肢が多いわけでもないということだ。

ヌッセンバウムによれば、「まだまだたくさんのマーケットプレイスを立ち上げる余地はある」のだ。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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