キャリア・教育

2021.10.13 08:00

良い教育を無駄にしない家庭改革 夫たちへ「妻を研究せよ」|高濱正伸 #2

提供=はなまる学習会


あなたの妻は笑顔?


夫側の目標はというと、最終的に一番大事な我が子のためにこそ、「妻を笑顔にせよ」ということにつきる。そのためのポイントは、いくつかあるが、一つは「妻の心に焦点を当てる」こと。
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男性から見ると、妻の話に対しては往々にして、問題点が不明確だったり、要点がまとまらなかったり。方向性の見えない話題に付き合わされている、という気持ちになるものだ。

仕事の場では論理的に情報処理できる女性でも、我が子のことになると感情が勝ってしまうからだと私は見ている。

そういう、自分と感じ方や安心のポイントが異なる存在の、心への想像力が勝負である。
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夫婦
Getty Images

そこでオススメしているのが、「妻の自由研究」をしようということだ。女性一般、妻一般に言い切れることなど少なく、夫婦のありようも価値観もそれぞれで「個人」としての妻に焦点を当てる必要がある。

大事なのは、妻の笑顔をゴールとして、常に妻を観察し自由研究することである。例えば私の場合で言うと、高価なバッグをプレゼントしたときよりも、妻の好みの餡蜜を、店の前を通ったついでに一個買って帰ったときの方が、よほど妻の目がキラキラしている。まず、この事実を抑える。

そして研究である。甘いものが効果的なのか、お土産が良いのか…。

私の研究結論はこうだ。仕事フルモードの昼間に、自分のことを思い出してくれ、好みも覚えていてくれ、わざわざ買ってきてくれた優しさが嬉しいのではないか。ちなみに母講演会でこれを言うと、母達が大いに頷く。

また、彼女の母は入院が長かったのだが、それに代わって彼女は弟を可愛がった。そのことに心を寄せた話題に触れると、とても和んだ表情になる。

私は、これらの研究結果をノートに記している。

とはいえ私自身、過去に10年ほどの間、冷めざめとした夫婦関係でいたこともある。

それが今では、朝はハグをして家を出ていき、趣味の乗馬に行けば手を繋いで帰ってくる。妻はいつもニコニコだ。本を1冊書けるくらいまで妻を研究してきたと自負しているが、その結果が今の良好な関係を生み出している。

夫たちよ、幸せな子育てのために、全力で妻の自由研究をしよう。

文=高濱正伸 編集=露原直人

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