上司の言動や考えは「変わらない」
上司の言動や考えを変えさせることができるのならば、世の中に上司からのストレスなどは存在しません。ですから、「上司を変える」のではなく、「自分を変える」ことを心がけることが大切です。
つまり、「自分を変える」ことを主軸に、上司からのストレスをコントロールすることになります。「自分を変える」の「変える」だけに注目すると、これまでの自分自身を変化させなければならない、もしくは過去の自分を全否定して生まれ変わる必要がある、などと早合点してしまうかもしれません。ですが、「変える」を「工夫する」に置き換えてみると、「自分を工夫する」になります。すなわち自分の立ち振る舞い方、表現の仕方、文章や言葉での伝え方などを「工夫する」ことで、上司との関係において、自分が有利なポジションを取れるようになります。
ポジティブ? ネガティブ? 自分の考え方のクセを知る
それではここで、苦手な上司から業務上の指導を受けたことをイメージしてください。きつい指導だったとしても、自分の成長に生かそうと前向きに受け止める人もいれば、感情的にに受け止めてしまい、さらに上司への不満を募らせてしまう人もいるでしょう。前者は「ポジティブ」、後者は「ネガティブ」な感情として心の中に残ります。
このように同じ刺激だったとしても、「受け止め方」は、ひとそれぞれ異なります。それを左右するのは、個人が持つ「考え方のクセ」です。
ネガティブに受け取りがちな人の「考え方のクセ」を次の様にまとめました。ネガティブな感情に繰り返し晒されることで、強いストレスを感じるようになってしまいます。自分が陥ってしまいがちなパターンを知ることで、ポジティブな対応を取ることが可能になります。
表1 考え方のクセのパターンと改善へのヒント
「もしかして、上司に嫌われている?」と感じる場合
頑張っているのに、なかなか上司に認められないと悩んでいる人が「上司は自分を嫌っているに違いない」と思い悩んでしまうことも無理ありません。
まだ研究途上ですが、嫌われてしまう人の特徴には表2のような原因があると考えられています。上司に認められたいと努力している場合は、嫌われてしまう要因を参考にすることで、円滑な人間関係を構築することができるようになる可能性があります。
表2 嫌われてしまう原因
参考情報:金山富貴子(2016)組織や集団内における対人嫌悪. 心理学ワールド74号p13-15