3社と類似のビジネスモデルで伸びている企業を紹介しよう。
1. インスタカート型企業
食料雑貨店や生産者と提携し、配達員・企業が消費者の代わりに買い物を行い自宅まで届けるサービス。特に昨年以降、コロナ禍でネットで食料品を購入する人が急増したため、この領域の市場規模の伸びは著しい。
twidy ツイディ
設立(サービス開始):2018年
拠点:日本(都心部)
ダブルフロンティアが運営する、スーパーやドラッグストア、商店街など地域に根ざした小売業者と、配達を担う新聞販売店・タクシー事業者、地域住民などをマッチングする買い物代行サ ービス。同じ大根でも根元側か先端側かといった食材の好みを選べたり、置き配ができたりする点が好評。LINEアカウントからリクエストすると「店舗にはあるのにツイディに載っていなかった商品」もアプリから買えるようになる。小売業者側には売上データの分析・メルマガ・クーポンなどの機能を提供することで売上向上に寄与している。共同体のなかで支え合うモデルは、高齢化の進む地方自治体でも今後応用できそうだ。
Happy Fresh ハッピーフレッシュ
設立(サービス開始):2014年
拠点:インドネシア、マレーシア、タイ、台湾
東南アジアで最も売上を伸ばしている食品デリバリーサービス。大手スーパーマーケットから近所の小さな商店までカバーし、同じ商品でも店ごとに違う値段から比べて選んだり、プロモーションを利用したりしてお得に買い物ができる。商品を頼むとアプリから配達時間の指定ができ、早ければ1時間以内で到着する。配達が遅れたらクーポンがもらえたり、ショッパー(配達員)とは指定した商品の品切れなどの場合にメッセージのやりとりができるといったきめ細かなサービスも人気。バイク社会や混雑、雨季などの複数の要因から徒歩で気軽に買い物に行くことがしにくい東南アジアではこうしたデリバリーの強いニーズがある。
cookpad mart クックパッドマート
設立(サービス開始):2018年
拠点:日本(東京、神奈川)
レシピサイトのクックパッドが始めたEC食材配達サービス。消費者はアプリから各生産者や市場の新鮮な食材を選び、地域の駅やコンビニなど最寄りの受け取り場所へ取りに行くか、送料を払い自宅まで届けてもらう仕組みだ。最低注文額の縛りがなく1品から頼むことができ、夜21時までに注文すれば翌日昼頃に届き送料無料という利便性の高さが忙しい消費者に支持されている。なかにはレシピ付きやセット販売(例:カレー用のジャガイモ・にんじん・玉ねぎ)の商品もあり、献立に悩まずに済む。食材の生産者側からしても、送料不要で配送やトラブル対応はクックパッド側が担うなど、負担がほぼないことから導入が増えている。