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2021.10.22 12:30

ユニコーン輩出世界2位。世界の投資マネーが集まる北欧8カ国「baltic 8」

2018年、スウェーデン生まれのSpotifyはNASDQ NYに上場した。

2018年、スウェーデン生まれのSpotifyはNASDQ NYに上場した。

日本でも毎日のように報道されているDX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)、SDGsへの取組において、北欧・バルト地域はイノベーションの最先端の地という側面を持っています。
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本記事では、フィンランドに在住し、ベンチャーキャピタル〈Nordic Ninja VC〉としてフィンランドやエストニア、スウェーデンのアーリーステージのスタートアップ企業に投資を行っている宗原智策氏に北欧スタートアップエコシステムについて聞いてみました。

北欧8カ国「baltic 8(バルチック・エイト)」
スタートアップエコシステムの概要


●北欧の最先端としての「顔」


1:世界的に有名なデジタルユニコーン企業を輩出
ーSkype(エストニア)
ーSpotify(スウェーデン)
ーWise(エストニア)

2:一人当たりのユニコーン企業輩出数はシリコンバレー以外で世界最多
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3:デジタル・ESG分野における社会変革の最先端をいく
ーDXやMaaSなどのコンセプトの発信源
ー行政のデジタル化やキャッシュレス社会の先端
ー世界幸福度ランキングをはじめ、イノベーション指数、ジェンダーギャップ等のランキングで世界トップクラス

北欧8カ国の地図イメージ

Skypeを始め、世界中で使われているオープンソースのOSであるLinuxや音楽ストリーミングのSpotify、ゲームエンジンのUnity、後払い決済のパイオニアであるKlarnaなどは、この地域発のデジタルイノベーションです。baltic 8では、評価額10億ドル以上の非上場スタートアップを指す「ユニコーン企業」が30社近くあり、これは一人当たりのユニコーン数で、シリコンバレーを除き世界最多の地域です。

Skypeの元従業員がSkypeマフィアと呼ばれる起業家集団やエンジェル投資家となり、これまでこの地域のスタートアップコミュニティーの発展に寄与し、現在はSkypeに続くSpotifyやSupercellなど、その後のユニコーン企業出身者が第2世代として、起業家やエンジェル投資家層を厚くしています。

北欧におけるボーングローバルなスタートアップの作り方


baltic 8と呼ばれる北欧・バルト地域は、8ヵ国合わせても人口が日本の首都圏程度の約3300万人という小国の集まりであり、マーケットが小さく、加えて8ヵ国それぞれで公用語・母国語が異なります。そのため、大多数の人は英語を共通言語とし、企業は、ボーン・グローバル企業(創業初日からグローバルに事業展開を行う企業)になる要因となっています。

成長するために常にグローバル市場での戦いを強いられるため、グローバル・アジェンダに対して敏感であり、自らアジェンダ・セッティングすることもいとわない。グローバルに通ずるイノベーションこそが小国として生き残る術となっています。
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文=森若幸次郎 / John Kojiro Moriwaka

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