元テスラ社員が立ち上げた「自動運転トラクター」企業の実力

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テスラとZooxに勤務した後に起業


シュワガーは、テスラやZooxに務めた後に、モナーク社を創業した。テスラでギガファクトリーの責任者や製造プログラムの主任を務めた彼は、トヨタとのコラボによるEV(電気自動車)「Rav 4」の製造プログラムのリーダーも務めたという。

その後、Zooxに移籍した彼は、そこで後のモナークの共同創業者となるPraveen PenmetsaとZachary Omohundroの2人と出会った。彼らは、その数年前に小さな会社を立ち上げて電動トラクターを作ったが、うまく行かなかったという。

そして2018年に、3人は新たな会社を設立することにした。農家としての知見を教えてくれたのは、シュワガーの親友のリフトの共同創業者のジョン・ジマーを通じて知り合った、カルロ・モンダヴィだ。彼は、カリフォルニアワインの父と呼ばれるロバート・モンダヴィを祖父に持つ、ワイン業界の名家の出身だ。

「モンダヴィは、サステナビリティに非常に熱心で、農業のあるべき姿を我々に教えてくれた」とシュワガーは語る。

モナーク社はこれまで、農機具大手のケース・ニューホランドなどの戦略的パートナーから3回の資金調達を実施しており、来年からリバモアで本格的な生産を開始する。

シュワガーは、これまで様々な企業で働いた経験を、モナーク社で活かしていると語る。「私が学んだことのひとつは、特定の側面に集中しすぎないということだ。デザインにこだわりすぎると、エンジニアリングに妥協してしまうかもしれないし、製品に集中しすぎると、フロントエンドは素晴らしいが、バックエンドが混乱してしまうかもしれない」

実際、シュワガーと彼のパートナーたちは、プロダクトのみに集中している訳ではない。彼らは、ゼロエミッションの自動運転トラクターを製造することで、農家の人たちが 「地球の良き世話人」になるための手助けをしようとしている。

編集=上田裕資

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