創業10年の同社は、元バークレイのマット・オッペンハイマー(39)と起業家のジョシュ・ハグ(43)、エンジニアのシバアス・グラティ(33歳)によって設立された。Remitlyの初期の出資元には、QEDのナイジェル・モリスや、ジェフ・ベゾスの個人ファンドであるBezos Expeditionsなどが名を連ねている。
公開されている財務情報によると、オッペンハイマーが保有するRemitlyの株式の価値は約3億ドル、ハグが保有する株式の価値は約2億ドルに達している。
Remitlyの約240万人の顧客のほとんどは、インドやフィリピン、メキシコの家族や友人に送金する米国在住の移民たちだ。同社のCOOを務めるハグは、「当社の顧客らは、母国に住む家族の学費や生活費などの基本的ニーズを支える資金を、国境をまたいで送っている」と語る。
パンデミックの影響で人々が家に閉じこもり、新興国の失業率が急上昇した2020年に、多くのフィンテック企業と同様に、Remitlyの成長も加速した。
同社の年間収益は2億5700万ドルに達し、2019年から倍増した。Remitlyは、テクノロジーと機械学習などの統計的手法を用いて、海外への送金コストを下げている。同社は大手のウエスタンユニオンのように店舗を持たないが、他国のパートナーと提携し、顧客が現金を預けたり受け取ったりできるサービスを提供する。
Remitly は黒字化を達成していないが、採算ラインに近づいている。2021年6月30日に終了した四半期は、100万ドルの損失で、損失額は前年同期の800万ドルから大幅に減少した。