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I teach the science of attracting high-paying clients.

PhotoAlto/Frederic Cirou / Getty Images

市場調査の専門家で数々の著書を持つクリス・スティール(Chris Stiehl)は先日、あるクライアントから依頼を受け、この会社のセールスパーソンの実績に関する調査を実施した。その結果は、一言で言うと「残念」なものだった。

「ポストコロナの状況を受けて市場が変化しているのは、私も知っている。だが、この会社のセールスパーソンは、実績が落ちると、さらに営業トークを増やす傾向にあった。けれどもこれは、私に言わせれば逆効果だ」とスティールは指摘する。

スティールの調査では、セールスで最高クラスの成績を上げる社員は、最も口数が少ないが、「非常に優れた聞き手」という特性を持っていることが判明している。

専門性の高い職業に就いている者やコンサルタント、テック系のサービス提供者、マーケティング会社の社員の多くは、「自分が従事しているのはセールス業務だ」という事実を肝に銘じる必要がある。だが筆者の経験から言うと、こうした職種に就く者は、自分がセールスに関わっていると考えることさえ嫌う者が大部分だ。なぜかと言うと、彼らが考える「セールスパーソン」とは、巧みな弁舌で人を操り、商談の間じゅう話し続けているような人物だからだ。しかしそうした手法は、実際の売上にはつながらず、マイナスの効果しかない。

実際、米国の国勢調査のデータによると、米国人のうち5000万人以上が、何らかの形でセールス関係の仕事に従事している。そしてこれらの仕事には、ファイナンシャル・アドバイザーや、金融取引に関する実務を扱う弁護士、不動産ブローカーや仲介業者、広告代理店の幹部、企業の最高経営責任者(CEO)も含まれている。高い報酬を払ってくれる顧客を引き寄せるためには、見込み客と、「信頼できるアドバイザー」とのあいだに、良い関係を構築することが不可欠なのだ。

「信頼構築のカギは、アクティブ・リスニング(相手の言葉を進んで傾聴する聞き方)のスキルだ」とスティールは述べる(スティールと筆者は、カリフォルニア大学サンディエゴ校で同時期にマーケティング関連の講義をしていた縁があり、スティールが市場調査に関する本を書いた際には、筆者が執筆を支援したこともある間柄だ)。「最も優秀なセールスパーソンは、商談の場でこのスキルを用いている。優秀なセールスパーソンであれば、顧客は『この人は、自分たちの悩みや問題点を本当に理解してくれている』と感じるものだ。それは、こうしたセールスパーソンが適切に問いかけてくれるからだ」

フリーのコンサルタントや、専門職に就く者、起業家は、見込み客との商談において、「一意専心に相手の話を聞く」ことを第一の目標とすべきだ。これは筆者の経験則だが、商談のトータルの時間のうち8割を「聞くこと」に振り向け、話すことは2割に抑えると良いだろう。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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