テクノロジー

2021.09.26 07:00

世界初の民間人宇宙飛行、小児がん制圧へ67億円の寄付金を集める


9月21日の段階では、6074万ドル強(約67億円)近くの寄付が集まっている。寄付額を表示するページの説明によると、集まった寄付金は、数千件の大手術、20万回を超える赤血球輸血、数千日の入院治療、セント・ジュード小児研究病院で治療を受ける子どもたちを支える家族の食事200万食以上の費用にそれぞれ相当する額だという。

インスピレーション4のクルーは全員が民間人で、ジャレド・アイザックマン(Jared Isaacman)氏、ヘイリー・アルセノー(Hayley Arceneaux)氏、クリス・センブロスキー(Chris Sembroski)氏、サイアン・プロクター(Sian Proctor)氏の4人で構成されている。

アイザックマン氏は38歳。決済処理企業シフト・フォー・ペイメンツの創業者兼最高経営責任者(CEO)で、このミッションに資金を提供した。軽量ジェット機による世界一周記録の保持者で、軍用機の操縦資格も有している同氏は、このミッションで船長を務める。29歳のアルセノー氏は、子どものころセント・ジュード小児研究病院で骨肉腫の治療を受け、現在は同病院で勤務している女性だ。

インスピレーション4では、がん制圧および小児医療への支援と資金提供に加えて、3日間にわたるミッションで、生命科学と宇宙研究の進歩に貢献する複数の科学実験も実施した。

初のオール民間人ミッションに世界の注目が集まるなかで、小児疾患の治療法確立という重要な課題への関心を高めようと取り組むスペースXとインスピレーション4のクルーの姿は、まさに素晴らしいインスピレーション(刺激、励み)を与えてくれるものだ。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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