世界有数のテクノロジーカンパニー、アドビの従業員の多くが彼を支持し、自分の働く会社を誇りに思っているという。そんなアドビの「働く場としての魅力」を、マーケティング本部 バイスプレジデントの秋田夏実とDXマーケティング&セールスデベロップメント本部 執行役員 本部長の祖谷考克が語りあった。
企業も人も、クリエイティビティが求められる時代
祖谷:
クリエイティビティはアドビの全ての活動を司るDNAだと強く感じています。クリエイティビティは決してアートの世界に限ったことではなく、ビジネスシーンにおいても「クリエイティビティとはコンフォートゾーンから一歩踏み出すこと」だと私たちは捉えており、この不確実な時代だからこそ、自分のクリエイティビティをフルに発揮して、勇気をもって新しいチャレンジを生み出すことが求められていると思います。
アドビの中にいるからこそ、そういうクリエイティビティにチャレンジすることもできますし、自分のスキルを磨く機会にも多く恵まれていると感じています。
秋田:
アドビという企業自体が、クリエイティビティを体現していると言っても過言ではないでしょう。2011年にいち早く、永続ライセンスモデルからサブスクリプションモデルへのビジネスの転換を発表したのもその一つ。サービスをクラウド経由で提供するようにしたことで、世の中の変化により迅速に対応することが可能になり、社内のイノベーションも加速しています。
祖谷:
老舗の解析ツールSiteCatalyst(現Adobe Analytics)で知られたオムニチュアを買収して、「Experience Cloud」の前身であるMarketing Cloudを作り、新たにデジタルマーケティングという事業を始めた時も、株価は一時的に下がったと聞いています。ただその後、Adobe.comにおけるデジタルマーケティングは大幅に高機能化されて、お客様の期待に沿うための4つの「R」(Right Contents to the Right Customer at Right Timing through Right Channel)によるパーソナライゼーションが実現できて、売上も飛躍的に伸びました。
秋田:
自社ソリューションによってビジネスを改革しつつ成長を続けているのは、アドビのユニークなところでしょうね。マーケティングチームは自社のツールやソリューションの最初の顧客となり、フル活用して、データドリブンな顧客体験の向上を実現してきました。これを「カスタマーゼロ」と呼びますが、こうした取り組みが根付いているからこそ、アドビ自身の成功体験をもとに、最適なソリューションをお客様に提供できるのだと自負しています。
アドビ株式会社 マーケティング本部 バイスプレジデント 秋田夏実
お互いを認め、共感し合うアドビの文化
秋田:
アドビでは心理的安全性も担保されています。例えばCEOのシャンタヌや上級副社長が揃って参加するオンラインでの全社ミーティングのときにも、誰が何を質問しても良しとされていますし、チャットボックス上でも活発な意見の交換が並行して行われます。役職は関係なく真摯にお互いの話を聞き、きちんと受け止め合うというカルチャーがアドビにはある。社員のエンゲージメントが高く、心理的安全性が高い組織だからこそ、個々人が持っているクリエイティビティを発揮できているのだと感じます。
そこに繋がる大きな柱が、ダイバーシティ&インクルージョンへの取り組みだと思います。コロナ禍の前にサンノゼで開催された「Adobe For All Summit」(毎年9月に行われる、ダイバーシティ&インクルージョンにフォーカスした社内イベント)に私も参加したのですが、CEOのシャンタヌが、自身もマイノリティとして苦労した経験を語ってくれました。
例えば渡米した当初、周囲に自分の名前を正しく発音してもらえなかったり、自分の話す英語が相手に理解してもらえなかったというような、普段見せないこれまでの苦労を率直に語ってくれました。リーダー自身が、マイノリティとしての苦悩を乗り越えてきたと自分の言葉で語ることで、社員が共感し、距離が縮まるのを実感しました。
アドビは他にも、グローバルでの男女同一賃金や昇進の機会均等といったジェンダー平等にコミットし、実際に達成してきています。Comparablyの「女性従業員が選ぶベストCEO」ランキングでシャンタヌが1位になったのはそうした積み重ねがあるからで、トップの本気度が私たちに伝わっているからなのだと思います。
ダイバーシティは企業も人も成長させる
秋田:
アドビの面白さは、いろいろなバックグラウンドの人が集まりながら、目指すところや考え方が共通していることに由来するように思います。同じビジョンやパーパスを共有する仲間が集まって意見を出し合い、成長しながら取り組めているからこそ、この会社の面白さや革新がもたらされていると感じます。
国内における私のマーケティングチームは、男女比がほぼ1:1で、国籍や年齢もバラエティに富んでおり、色々なバックグラウンドの人たちがいます。違うバックグラウンドだからこそ違う経験を持っていて、違う角度からものが見える。意見を交わすことがクリエイティビティの源泉になり、同時に死角をなくすことにもなる。ダイバーシティ&インクルージョンが根付いていることが、攻めの意味でも守りの意味でも、アドビの強みであると考えます。
祖谷:
よくあるいろいろな「不適切な摩擦」からフリーになった気もします。振り返ってみてそういえばないなっていう感覚ですね。昔の知人と話してるときに、あれなんか、そんな言い方しなくてもいいじゃんって思うことがあっても、実は以前はそんなこと思わず一緒に同じ会話をしていて、それが問題だとすら思わなかった。ただアドビに何年もいる中で、たまに会って話したりすると、違う視点で考えられることが増えてきていて、そういうときに、ふとアドビは多様性を尊重する文化のある会社だなと立ち返ることができるというか、再認識できます。
アドビ株式会社 DXマーケティング&セールスデベロップメント本部 執行役員 本部長 祖谷考克
秋田:
私自身はアドビの一員となったことで、より本来の自分らしく、ポジティブになれたと感じています。かつての仕事仲間と、今も仕事上で出会うことがあるのですが、秋田さんがこんなに笑う人だと思いませんでしたとよく言われます。
日本のアドビでは、2020年の3月以降、全面的にテレワークを行っています。支援策が充実していますので、完全テレワークでも不自由はありませんが、やはり時にはface to faceで集まりたいこともあります。オフィスにいることで、ばったり同僚に会ったときに「そういえば…」という感じで話がはずみ、仕事のアイディアを膨らませることができるのも、オフィスのメリットだと思います。オフィスがあることと、在宅で働くことのメリットのベストミックスを、みんなで話し合いながら探していこうという柔軟さも、アドビならではの魅力だと思います。
祖谷:
今年4月に行われたアドビのデジタルエクスペリエンスカンファレンス「Adobe Summit 2021」で、ゲストスピーカーとしてお招きしたPfizerのCEOアルバート ブーラ氏が、「デジタルはEnablerである」とコメントされました。アドビのソリューション、それ自体がお客様にとっても、社員にとってもEnablerでもあるべきだと思います。
アドビの中にいておもしろいなと思うのは、さまざまな企業の方、まさにこれから変革していこうと思っている方たちと出会えること。いろいろな方とお話して刺激を受け、それが自分にも返ってくるし、それをまた新しいお客様にフィードバックしていったり、社員のメンバーに伝えていくということが結果的に、日本全体のデジタル時代における新しいあり方を形作っていくのかなと思っています。それぞれが描いている“こうあったらいいな”っていうのが一つずつ形になって、さらにいい未来を作っていくことに、アドビの一員として貢献していきたいですし、それを共有できる仲間がどんどん集まってくれたら、もっと新しいチャレンジが生まれそうですね。
新しい顧客体験の実現で世界を変える。
アドビが目指すこれからのDXとは
https://forbesjapan.com/articles/detail/42939
アドビの採用情報
https://www.adobe.com/jp/careers.html
秋田夏実◎アドビ株式会社マーケティング本部バイスプレジデント。東京大学経済学部卒業。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。新生銀行、HSBC、シティバンク、マスターカード等を経て、2017年にアドビ株式会社に入社。アドビのクラウドサービスのマーケティング、デマンドジェネレーション、広報・ソーシャルメディア、ブランディングを含むコミュニケーション戦略といった日本でのマーケティング活動のすべてを統括。
祖谷考克◎アドビ株式会社DXマーケティング&セールスデベロップメント本部本部長。広告会社にてマーケティング領域全般のプロデュース業務に約15年従事。2013年よりアドビ株式会社に参画、ビジネスコンサルタントとして顧客のデジタルビジネスを推進。2018年、デジタルストラテジーグループを日本で立ち上げ、経営視点からの中期的なデジタル変革の戦略策定を支援。2019年、DXマーケティング&セールスデベロップメント本部本部長に就任。