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2021.09.22

フェイスブックがFTCとの「裏取引」に49億ドル、株主らが提訴

フェイスブックCEO マーク・ザッカーバーグ(Alex Wong/Getty Images)

米連邦取引委員会(FTC)は2019年7月、個人情報の管理に著しい不備があったとしてフェイスブックに50億ドル(約5400億円)の制裁金を科したが、同社の株主らは、フェイスブックが、マーク・ザッカーバーグを個人的な責任から守るために、FTCが当初求めた金額よりも49億ドルも多い金額を支払ったと主張し、訴訟を起こしている。

この訴訟は9月21日のPoliticoの報道で明るみに出た。

FTCは、フェイスブックの個人データがケンブリッジ・アナリティカによって収集され、そのデータがドナルド・トランプの2016年の大統領選挙キャンペーンで使用されたことから、データの管理を怠ったとしてフェイスブックを調査した。

フェイスブックは、FTCに50億ドルを支払って和解したが、8月に起こされた年金基金が主導する2つの訴訟によると、制裁金の額は当初、1億700万ドルだったという。つまり、フェイスブックはその約50倍の額を支払ったことになる。

株主らの主張によると、FTCはその見返りとして、ザッカーバーグの名前を最終的な和解案から除外し、「プライバシーの監督を怠った」という彼の個人的責任を問わないことで同意したという。

この取引によってザッカーバーグだけではなく、COOのシェリル・サンドバーグも、法廷での証言を回避できたとPoliticoは報じている。

フォーブスはフェイスブックとFTCにコメントを求めている。

「ザッカーバーグとサンドバーグ、その他のフェイスブックの取締役らは、ザッカーバーグの名前がFTCの訴状に記載されたり、個人的な責任を問われたり、宣誓証言を求められたりしないように保護するための見返りとして、FTCとの間の数十億ドル規模の和解を承認した」と、株主たちは主張している。

フェイスブックは2018年4月に、ケンブリッジ・アナリティカに8700万人の個人データを奪われたと発表した。その翌年のFTCとの和解案の一部として、フェイスブックは、プライバシー委員会を設置し、プライバシープログラムを担当する役員を指名することに合意した。これは、フェイスブックの株式の約14%を所有するザッカーバーグから権力を奪うための措置として、FTCが期待したものだった。

編集=上田裕資

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