米国のワクチン未接種者のコロナ治療費が6月以降に急増

Katherine Frey/The Washington Post via Getty Images


一方で、ワクチンを接種しないままでいることへのコストは上昇している。一部の雇用主は、未接種の従業員に対して保険料の上乗せを決めているほか、ワクチン接種を雇用条件にしている企業もある。また、保険各社が、パンデミック初期に導入していた「新型コロナウイルス感染症治療費用のうち自己負担分に関する免除措置」を打ち切りはじめていることから、ワクチン未接種者は医療費の増加にも直面している。

米国で使われている新型コロナワクチンは安全で、デルタ株を含む新型コロナウイルス感染による重症化や入院、死亡の予防に関して高い効果があることが実証されている。また、無料での提供が義務づけられており、自己負担費用を払う必要もない。数カ月前から、すぐに接種できる状況になっているにもかかわらず、一部の州ではワクチン接種率がいまだにきわめて低い。多くの州は、ジョー・バイデン大統領が掲げた「7月上旬までに成人の70%が少なくとも1回のワクチン接種を受ける」という目標に達していない。

接種完了後に感染する「ブレイクスルー感染」はまれだが、起きる可能性はあり、実際に起きている。とはいえワクチンには、後遺症、入院、重症化のリスクを大幅に下げる効果がある。新型コロナウイルス感染症入院患者の大多数と、ほぼすべての死者は、ワクチン未接種の人たちだ。米国では、新型コロナウイルスの治療薬として使用を許可された数少ない医薬品の需要が大きく増加した結果、全国的に供給不足に陥っており、不足している医薬品を各州に配給する措置がとられている。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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