今回のラウンドは、ティー・ロウ・プライスが主導し、フランクリン・テンプルトンやセコイアキャピタル、ベッセマー・ベンチャーパートナーズ、Greenoaks Capital、Dragoneer、Blackbird、Felicis、AirTreeらが参画した。Canvaの評価額は、今年4月のラウンドで150億ドルとされていた。
Canvaの事業規模は、きわめて稀な水準に達している。同社は、フォーブスが未上場の有望なクラウド企業トップ100社を選出する「Cloud 100」ランキングの2021年版で、決済サービスの「ストライプ」やデータプラットフォームの「データブリックス」に次ぐ3位に入っている。
Canvaは長年黒字を維持しており、2021年の年末までに10億ドル以上の収益を見込んでいる。決算が黒字で、売上高が毎年倍増しているにもかかわらず、なぜ資金調達が必要なのかという疑問に、CEOのメラニー・パーキンス(Melanie Perkins)は「仮に明日、全てを失ったとしても、長期間事業を継続できるだけの資金を保有しておきたいからだ」と答えている。
オーストラリアのパースで設立されたCanvaは、成功したスタートアップとしては珍しく、長年シドニーに本拠を置きつつ、成長を続けている。現在34歳のパーキンスは、フォーブスの「30 UNDER 30」にも選出され、2019年12月号の表紙を飾っていた。
(写真=Canva)
Canvaは、パーキンスと彼女の夫のCliff Obrecht、Cameron Adamsによって2012年に設立され、その翌年に誰でも簡単にデザインが出来るツールをリリースした。
現在、Canvaは動画やプレゼンテーションに対応しており、最近ではリアルタイムのコラボレーション機能を追加した。新しいウェブサイトツールを使うと、履歴書やイベント招待状をPDFで作るのではなく、独自ドメインを持ったレスポンシブなウェブサイトとして公開することが可能になる(Canvaはアドビやビスタプリントの競合製品に位置付けられるが、この新製品によってSquarespaceやWixとも競合することになる)。