ロイターは、2人の関係者の発言として、リウが「一部の親しい関係者に退任の意向を伝えた」と報じた。リウはまた、ここ数週間で一部の関係者に「政府が最終的に滴滴出行の経営権を取得し、新しい経営陣を任命することになる」と話していたという。
滴滴出行の20日の終値は7.75ドルで、6月のIPO価格の14ドルを45%下回り、同社がニューヨークで上場して以来、4番目に低い終値となった。同社は、中国の規制当局による調査や、ニューヨークでの上場に関連した集団訴訟に直面している。また、上場の数日後には、同社のアプリが中国のアプリストアから追放されていた。
現在43歳のリウは、中国のコンピュータ業界のパイオニアであるLiu Chuanzhiの娘で、かつてゴールドマンサックスに勤務していた。目論見書によると、滴滴出行の出資元には、20%の株式を保有するソフトバンク・ビジョン・ファンドや12%を保有するウーバー、6%を保有するテンセントが含まれている。
ウーバーの中国版と呼ばれる滴滴出行は、7月初旬から当局に、プラットフォーム上の個人データを価格調整メカニズムに用いていた件などで、厳しく追求されていた。中国はここ最近、テクノロジー企業に厳しい監視の目を注いでおり、民間企業のビッグデータの活用を制限し、独占的行為を阻止しようとしている。
DiDi Globalは21日朝に公開した声明で、ロイターが報じた同社の経営体制の変更についての噂が、真実ではなく根拠を欠いていると反論した。
「我々は、当社に対する悪意を持つメデイアによって捏造された有害な噂が、配信されたことを強く非難する。我々はこのような侵害行為に対して法的措置を取る権利がある」と同社は、PR会社のSVCを通じて配信した声明で述べた。