大統領専用機の製造は、高度なセキュリティ体制のもとで行われており、問題のアルコールのミニチュアボトルが、どのようにして現場に持ち込まれたのかは不明とされている。
ボーイングは、同社が「国家的な最優先事項」と表現する2機の新型エアフォース・ワンを製造しているが、製造現場へのアルコールの持ち込みは禁止されており、同社は今回の発見を非常に重く受け止めているという。広報担当者は、フォーブスに寄せた声明で「これは組織の内部の問題であり、当社は契約上の理由からこれ以上のコメントには応じられない」と述べた。
ボーイングは、2018年にドナルド・トランプ前大統領の政権と合意した契約で、2機の飛行機の製造に39億ドル(約4300億円)の支払いを受けていた。
同社は今年6月に米空軍に対し、初号機の納入が予定より1年遅れの2025年になる可能性があると伝えていた。また4月には、製造委託先のGDCが計画を1年遅延させたとして契約を解除し、提訴していた。
しかし、GDCは、遅延の原因がボーイングのプロジェクト管理のミスにあるとして、逆にボーイングを提訴している。この飛行機は、747型航空機に軍用通信システムや防衛システムを追加するなどの大規模な改造を加えて、ホワイトハウスの機能を果たせるよう設計されている。この2機は、もともとロシアの航空会社のために製造されたが、その航空会社は倒産していた。
トランプ前大統領は、エアフォース・ワンの配色を、ケネディ政権時代から長年続いてきたベビーブルーから、赤・白・青のストライプに変更する計画を発表していた。しかし、バイデン大統領が、トランプの計画を維持するかどうかは不明だ。