米国のワクチン接種者、3割超が未接種者と「疎遠に」

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新型コロナウイルスのワクチン接種を受けた米国人の33%が、未接種の友人や家族、知人の少なくとも一部と、「疎遠になった、または絶縁した」という。米世論調査会社ハリス・ポールが新たに公表したデータで明らかになった。

9月10〜12日に実施、米国の成人1920人から回答を得た調査によると、接種を受けた回答者のうち、未接種の友人や家族との付き合い方を変えたという人の8%は、ワクチンを理由に関係を断った人たちと「二度と付き合うつもりはない」という。

また、11%は、「接種を受ければ、また会うつもり」だと回答。14%は、「今も付き合いはあるが、直接会うことはない」と答えた。27%は、「関係を断ってはいないが、接種を受けないことに“いら立ちを感じている”」という。一方、39%は関係を維持しており、接種は「個人的な選択」の問題と述べている。

「ワクチン未接種の人との付き合い方を変えた」との回答が多かった人たちをグループ別に見ると、ミレニアル世代(53%)、都市部の住民(48%)、Z世代(47%)、民主党支持者(46%)、西部州の住民(43 %)、となっている。

「自分は接種を受けたが、家族に未接種者がいる」という人の41%は、考えを変えて接種を受けるよう、これまでに「繰り返し」説得を試みているという。ただ、試みたものの、すでに「あきらめた」という人は、26%にのぼっている。さらに、こうした説得の結果、家族が「接種を受けた」という人は18%にとどまる。

説得を試みた結果、家族が「接種すべきとの考えを受け入れた」という人は、25%。「口論になった」という人は16%、「考えを変えてくれない(ただ、お互いに共感できる点はある)」と答えた人は、41%だった。

ワクチン接種を受けた回答者の76%が、家族に未接種者がおり(関係を断っているかどうかにかかわらず)、その家族が接種を受けていないことを「非常に、またはある程度、懸念している」と答えている。

未接種の知人との関係を断ったことが知られている人の中で、最も著名な人物は、俳優のジェニファー・アニストンだろう。8月に米誌インスタイルのインタビューで、それまで毎週会っていた何人かと、「接種状況を明らかにすること拒否し続けていることを理由に、会うのをやめた」として、次のように述べている。

「誰にでも自分の意見を持つ権利はあるのですから、難しい問題です──ですが、多くの意見は、恐怖やプロパガンダにしか基づいていないように思えます」

「ワクチン接種に反対する人がいまだに“数多く”いることは、本当に残念です」

ワクチンを理由に人間関係を断ち切った人の割合は8月6〜8日の調査結果と比べ、増加している。

未接種に対する規制


政府や企業などは、未接種の人に対する規則や罰則をますます強化している。デルタ航空は8月、未接種の従業員が払う月々の健康保険料を、11月から200ドル(約2万1900円)引き上げることを発表した。

接種を受けないことで、仕事を失った人も増えている。ブロードウェイ・スターのローラ・オスネスもその一人だ。接種の義務化を理由に、出演を見送っている。その他、複数の競技のコーチらが、同じ理由により解雇されるなどしている。

編集=木内涼子

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