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右:キャシー・ウッド(Cindy Ord/Getty Images for Bloomberg Businessweek)

アーク・インベストメントを率いる大物投資家のキャシー・ウッドは今月、多くの有力投資家と同様にテスラ株の売却を増やしており、その代わりに、ここ最近急落したテクノロジー銘柄への投資を増やしている。

同社の日次取引報告書によると、運用総額が211億ドル規模のアークの旗艦ETF「アーク・イノベーションETF」は9月16日に約3140万ドル(約34億5000万円)相当のテスラ株を売却した。

テスラ株は、アークの最大の保有銘柄ではあるが、同社が9月に最も多く売却した銘柄がテスラで、今月の売却額の総額は約2億6600万ドルに達した。

アークはその代わりに、オートメーション企業のUiPathを買い増しており、今月は約1億8500万ドルを投資した。UiPathの株価は、今年4月のIPO直後に急騰したが、現在の株価は最高値から20%も低い水準だ。

アークはまた、ストリーミング企業のRokuとZoom Video Communicationsの株式を、それぞれ約9650万ドルと8000万ドルを投じて購入した。この2社の株価は昨年、パンデミックを受けて急騰したが、その後は50%も下落している。

ウッドは9月14日の投資家向けセミナーで、市場が近いうちにグロース株やイノベーション株に回帰し始めるとの見方を示していた。

アークが他に投資額を増やしている銘柄としては、クラウドコンピューティング企業のPagerDutyや暗号資産取引所のコインベース、ヘルスケア企業のファイザー、遺伝子検診のInvitae、バイオ医薬品企業のFate Therapeuticsなどが挙げられる。

ウッドはまた、ロビンフッドやWorkday、Zillowなどのテクノロジー銘柄への投資を増やしているが、9月には、アルファベット、フェイスブック、アマゾンなどの大手ハイテク企業への投資額を2400万ドルも減少させた。

昨年の市場の上昇を牽引したのはテクノロジー銘柄で、アークのようなこの分野に強い投資家は大きなリターンをあげていた。しかし、今年の春以降の経済回復の加速と金利上昇によって、投資家のマネーはハイテク関連を離れ、エネルギー関連や金融などの景気循環株やバリュー株に向かっている。

テスラ株は8%下落する見通し


テスラの株価は8月に14%上昇したものの、1月の史上最高値からは15%近く下落している。アーク・イノベーションETFは、2020年にプラス150%近い実績をあげたが、今年のパフォーマンスはマイナス5%程度だ。

ウッドによると、アークはテスラのボラティリティの高さを利用し、株価が下落した際に購入し、上昇した株価が再び下落すると判断した際に売却しているという。

「私たちは、人々がテスラを含む特定の銘柄について過剰に反応していると感じたときに、自然に利益を得ることになる。なぜなら、論争のおかげで株を安く買うチャンスが訪れるからだ」とウッドは5月にCNBCに語っていた。

ウッドは最近テスラ株を売却しているにもかかわらず、先週は、テスラの株価が2025年までに300%近く急騰する可能性があると述べている。

しかし、ウォールストリートのコンセンサスは、テスラに対してウッドほど高い期待を示していない。ブルームバーグのデータによると、アナリストたちのテスラ株の平均ターゲット価格は701ドルで、今後1年間で株価が8%下落する可能性を示唆している。

編集=上田裕資

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