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「BeChef」を利用してスイーツのキッチンを起業した笠原美咲氏と、夫でビストロ・シェフの友哉氏

コロナ禍下で外食がしにくくなったことから、デリバリーを頼んだり、テイクアウトを利用して、家で喫食する「中食」の需要が大きく伸びている。

当然、飲食業界の風景も大きく変化している。具体的には、イートインスペースのないデリバリー特化のレストラン、「ゴーストキッチン」や「ゴーストレストラン」が増えているのだ。

ゴーストキッチン起業を支援するベンチャーサービスも台頭してきた。話題のシェアキッチン「BeChef」もそのひとつだ。京都・福岡に続く3拠点目として2020年9月、開業した東京・渋谷の例でいえば、厨房施設が3つ、広さ約30坪。6店舗が入居できる。オーブン、コンロ、フライヤー、冷蔵庫など開業に必要な基本備品が備わっており、ウーバーイーツなどにも対応可だ。

BeChef代表取締役の戸邊将文氏によれば、飲食業界では開業3年で約7割が撤退、10年継続営業できる店舗は1割程度だという。莫大な初期コストを背負って廃業していくケースを多く目にしてきたなか、備品込み、いわば完全居抜きの環境の賃貸キッチンでまずは始め、名物メニューを開発して地がためをしてほしい、という発想でのシェアキッチン起業だったという。

BeChefの入居者は利用してみて実際、どう感じているのか。入居に至る事情やその使い心地を、BeChef利用を経てキッチンカー「il pleut」立ち上げ準備中の笠島美咲氏と夫の友哉氏、会社員として勤めるかたわら「韓国チキン&キンパ チョアチョア」を出店した吉浦祐生氏に聞いた。


新規参入のリスクが抑えられるのが一番の魅力


まず、スイーツのゴースト・キッチン「the weekend citron(ザ ウィークエンドシトロン)」をBeChef内で運営していたパティシエ、笠島美咲氏の場合はどうだろう。

美咲氏が「BeChef+ 京都シェアキッチン」を使ったのは、2020年9月から年明け1月ごろまでだった。

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「シェアキッチンを選んだのはやはり、新規参入のリスクが抑えられるのが一番の魅力でした。京都にはシェアキッチンが何店舗かあるが、他のキッチンとの違いは、新規開店ということもあってとにかくきれい。清潔感が印象的でした。それから、機材、備品完備で、環境も理想的でした。

代表の戸邊さんに直接面接してもらい、事業の内容、商品のラインアップについて説明。その上で、実際に売る予定の焼き菓子を持参し、試食してもらいました」
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il pleut(イルプル)」で提供する焼き菓子の例

「BeChef+ 京都シェアキッチン」には、ウーバーイーツをはじめとするデリバリー・プラットフォームを使ったピックアップ対応以外に、来店者向けのテイクアウト、加えてイートインスペースもある。「焼き菓子ということもあって、ウーバーイーツなどには出していなかったこともあり、テイクアウトが一番多かったですね」と美咲氏。

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「BeChef+ 京都シェアキッチン」

文=石井節子

起業家

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